『名探偵ステイホームズ』斬新さだけではないドラマとしての面白さ 北村匠海への親近感も

『名探偵ステイホームズ』北村匠海に親近感

 前編はアタルの部屋と家の中のみで運ばれていき、それ以外の場所はすべてパソコンの画面の中で展開する(回想シーンもあえてアニメーションで構成されている)。そんなアタルの部屋には『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』の単行本が揃っており、彼の“名探偵”たるルーツを感じ取ることができる。またリモート会議の背景も途中から『竜とそばかすの姫』仕様に変わることで、オンラインでどんな世界にも通じることができるのだと密かに示されており、日テレ色全開の小道具ながらも芸が細かい。そうした現実の要素が入れ込まれることで、主人公への親近感も高まるのである。

 さて、この前編の終盤ではアタルのかつての親友である環境大臣の斎藤(黒羽麻璃央)が一連の事件に関与している可能性がほのめかされ、また同じく関与が疑われる沼田が怪しげな行動を見せる。そして沼田を追いかけた坂本が森の中で沼田の遺体を発見すると同時に、アタルの元へ沼田からビデオ通話が掛かってくる。気になるのは、そもそも地下アイドルの失踪事件になぜ公安が動いたのかという点と、もう1人のリサーチャーである星野智子(森川葵)の存在。この前編の時点では、連ドラと連ドラとの間の繋ぎのようなポジションに留めておくにはもったいない佳作といった印象だ。

■放送・配信情報
日英共同企画スペシャルドラマ『名探偵ステイホームズ』
前編:TVerにて配信中
後編:日本テレビ系にて、4月10日(日)22:30〜23:25放送
Huluにて放送終了後配信
出演:北村匠海、松本まりか、森川葵、黒羽麻璃央、大原優乃、大和田南那、小宮有紗、後藤剛範、勝矢、谷原章介、鈴木保奈美ほか
脚本:森ハヤシ
演出:水野格
音楽:カワイヒデヒロ
プロデューサー:小田玲奈、大倉寛子、青木佐也子、柴田裕基(AX-ON)
共同企画・プロデューサー:Michael Nakan(Envision Entertainment社)
チーフプロデューサー:三上絵里子
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/stayhomes/
公式Twitter:@ntvdrama

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる