『ミズ・マーベル』予告編を徹底解説 コミック版との比較、登場人物やパワーはどうなる?

『ミズ・マーベル』の予告編徹底解説

 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)によるディズニープラスの新ドラマシリーズ『ミズ・マーベル』の予告編が日米同時公開されました。6月8日からの配信を前に、おさらいしたい前知識と予告編の解説をしていきたいと思います。

 まず前知識として、コミックではミズ・マーベルの正体は女性ヒーロー、キャプテン・マーベルに憧れるパキスタン系アメリカ人の女の子カマラ・カーンです。そんな彼女がスーパーパワーを身に付け、キャプテン・マーベルが以前使っていた“ミズ・マーベル”という名を襲名します。彼女の能力は肉体を伸び縮みさせる力。それによって巨大化したり大きな拳を作ってパンチします。また、彼女は単独主人公としては初のムスリム(イスラム教徒)のキャラクター。2020年に発売されたゲーム『Marvel's Avengers』のゲームでも主役として登場しました。

マーベル・スタジオ『ミズ・マーベル』|予告編|Disney+ (ディズニープラス)

 そんな彼女を今回のドラマ版『ミズ・マーベル』で演じるのが、新人俳優のイマン・ヴェラーニ。予告編がはじまると早速、授業中のカマラをカメラが捉えます。ノートの落書きは、よく見ると羽が生えた宇宙を飛ぶ不思議動物。そしてアントマンが描かれています。アントマンも彼女の憧れのヒーローなんでしょうか? そして歴史の教科書が置かれていますが、表紙がエジプト。これは『ミズ・マーベル』の前に配信されるMCUドラマがエジプトにちなんだ『ムーンナイト』だからでしょうか? そしてお馴染みのマーベル・スタジオのロゴですが、彼女の頭の中からここに導かれることで、ヒーロー世界が彼女の夢であることがわかります。

 学校の先生に呼び出しくらっているシーンは、コミックの吹き出しが使われていて演出がとてもユニーク。往年の『バットマン』のドラマの吹き出し演出というより、映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』風です。ここで先生の名前(ネームプレート)が“GWW”にであることに注目。コミック版『ミズ・マーベル』の原作者はG・ウィロー・ウィルソンさんです。

 さて、16秒目で友達に指摘されたカマラのTシャツには、MCUの女性ヒーローのワスプ、キャプテン・マーベル、ヴァルキリーが描かれていますね! その後、カマラの男友達であるブルーノ、恋する相手カムランが登場します。本予告にはカマラが妄想シーンがふんだんに盛り込まれているのが特徴的。キャプテン・マーベルのコスプレをして『ブラック・ウィドウ』でもいじられた“ヒーロー着地”ポーズしたり、ホームカミング(プロム?)のクイーンになることを夢見たり。こういうティーンの少女らしさが、可愛らしいですね。

 47秒目にはカマラがムスリムということがわかる礼拝のシーンが登場します。「茶色い肌の女の子が世界を救えるわけない」、このカマラのセリフに思わず「救えるよ!」と心の中で叫んでしまいました。これは僕の知人が教えてくれたのですが、カマラが首にかけているストラップに「ニュージャージーアベンジャーズ」と書かれています。カマラはニュージャージー出身の子でヒーローオタクだから、ここで開かれたアベンジャーズの記念イベント(コンベンション)に参加したということでしょうか? このへん、ゲーム『Marvel's Avengers』の展開にそっくり。

 さて、58秒目からのシーンが非常に重要です。どうやらカマラは屋根裏部屋で見つけた腕輪でパワーを得るようです。そこで生まれる疑問は、「この屋根裏部屋は誰の部屋か?」ということ。また、腕輪に描かれた紋章はクリー人に似ているのです。そして能力覚醒で目の色変わるカマラ。これは『キャプテン・マーベル』や『ワンダヴィジョン』のモニカ・ランボーの覚醒演出と似ています。やはりカマラは、この腕輪によってパワーを得た(ないし元々彼女になんらかのパワーがあって、それが腕輪によって覚醒した)と解釈されるわけです。これはコミック版とは違う設定なのです(詳しくは後述)。

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