藤原大祐×桜田ひよりが入れ替わり!? 『神様のえこひいき』は“恋”の本質を問い直す

『神様のえこひいき』は恋の本質を問い直す

 また子役時代から数多くの作品に出演する桜田ひよりは今回、見た目は女の子だけど中身は男の子という難役に挑戦した。女の子としての生活に慣れず、不自然な言動になってしまう神楽の中には確かに弥白が生きており、時折ケンタを愛おしそうに見つめる顔が告白の場面で藤原が見せた顔と重なる。そして、ケンタ好みの女の子として生まれ変われば恋が叶うと信じて一直線にケンタに向かっていく姿は応援せずにはいられないが、人の気持ちはそんな単純なものじゃない。親友を失った哀しみからどこか暗い影を落としたケンタ。その心はもはや弥白のことでいっぱいで、神楽がどんなにアピールしても空振りばかり。

 そんな矢先、好きということがどういうことなのかという恋の本質を根本から問い直すような存在が現れる。それが、ケンタの元カノ・鳥居鈴だ。『VoCE』(講談社)専属モデルを務め、現在放送中の人気恋愛番組『彼とオオカミちゃんには騙されない』(ABEMA)に出演するなど、若い世代から絶大な支持を受ける新井舞良が演じる鈴は、弥白も思わずときめいてしまうほどキュートな女の子。本当はサバサバとした性格だが、肉食な性格故に周りから誤解されやすい彼女は、なんと自分の良さを認めてくれた中身は弥白の神楽に恋をしてしまう。

 鈴も元々は男の子が好きだったわけで、つまりは弥白と同じ状況なのだが、彼女には迷いがない。躊躇いもなく神楽に想いをぶつけて、失恋しても、まっすぐな瞳で「私は神楽ちゃんが好き。この気持ちは私だけのものだから」と言い放つ。きっとこの台詞は本作を貫くテーマになるだろう。相手が異性だろうと同性だろうと、人を好きになる気持ちに貴賎はない。傷つき、悩みながらも一途に誰かを思う高校生たちの姿は恋するすべての人を力強く肯定してくれる。

 そんな中、彼らをただそばで見守る神様がなぜ弥白を“えこひいき”したのか。第2話のラストでは死んだはずの弥白が実は生きていたことが判明し、ますますその意図が気になるところ。もし弥白の身体に本来の神楽の心が入っているのだとすれば、さらに事態はややこしくなる。自分の気持ちは愛情なのか友情なのか、はたまた惹かれているのは相手の見た目なのか中身なのか。単純そうで、実は複雑な「好き」という感情に向き合っていく彼らから目が離せない。

■配信情報
Huluオリジナル『神様のえこひいき』
Huluにて、毎週土曜、新エピソード2話ずつ独占配信(全8話)
出演:藤原大祐、桜田ひより、窪塚愛流、新井舞良、真飛聖、古川雄輝ほか
原作:小村あゆみ『神様のえこひいき』(集英社マーガレットコミックス刊)
脚本:北川亜矢子
監督:松本優作、杉岡知哉
制作プロダクション:アットムービー
製作著作:HJホールディングス
(c)小村あゆみ/集英社・HJホールディングス
公式サイト :https://www.hulu.jp/static/kamieko
公式Twitter:@kamiekoHulu

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