『二十五、二十一』離れていても育まれたヒドとイジンの“絆” ユリムとの決着の行方は?
フェンシングを諦めろと言われた少女が、国家代表選手になった。私たちは舞台に立つ華々しい彼らの姿しか知らない。しかし、諦めなかった日々と誰にも負けない努力なしにはその舞台にさえ上がれないのだ。Netflixで配信中の韓国ドラマ『二十五、二十一』の第5話・第6話では、どんな道を歩んでも決して変わらない心の支えが、どこまでも登り詰めるナ・ヒド(キム・テリ)をさらに強くさせていた。
“華やかさ”はどこから来るのだろう。輝かしい功績だろうか、それとも知名度だろうか。キム・ミンチェ(チェ・ミョンビン)はどこに行っても声をかけられる母親のヒドを“華やかな人”だと羨んでいた。しかし、どちらかといえば泥くさいヒドしか私たちは知らない。それでもヒドは皆を照らす太陽みたいだった。人知れぬ努力や真っ直ぐすぎる不器用さが、周りにいる人までも照らし、それが“華やかさ”となったのだろう。ミンチェがヒドの日記を読み続けるのは、本当はバレエを辞めたくないから答えを探しているのかもしれない。
いよいよ迎えた国家代表の選考試合。ヒドが見つめる先は、どうしてこんなにも胸をときめかせるのだろう。それは、「今日は1戦も負けない」というヒドの言葉を、ヒドの未来を信じたくなるからだ。ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)が「勝つのがわかる」と言ったのも、「あなたは負けない」とヤン・チャンミコーチ(キム・ヘウン)が確信を持って声をかけたのもきっと同じ理由だ。そんな“自分を信じてくれる存在”が、ヒドの大きな支えとなっていた。
宣言通り、ヒドは試合に一度も負けず代表選手となる。ところが、一番報告したかったイジンはこの街から突然姿を消してしまった。それなのに、ヒドは「イジンの選択を信じる」とすんなり受け入れたのだ。急に大人びたようにも見えたヒドだが、次は自分がイジンを応援する番だと言う。どんな選択をしても揺るがない関係なのは、2人の間に生まれた“信頼”が強く結びつけていたからである。
イジンは現実から逃げるために母親のいる田舎へと引っ越していた。季節は夏から冬になり、2人を繋いでいるのはポケベルに残された1件のメッセージのみ。なのに、蛇口からあふれ出す水はあの時のままで、隣にいなくても思い出すことで「2人でいる時は幸せでいよう」と言った約束は続いていた。ヒドは会えなくても「一緒に立ち上がろう」とフェンシングで活躍する姿をイジンに届ける。自分がやり遂げれば、イジンもやり遂げられると信じているから。離れていても一緒にいるかのようだったのは、2人が同じ方向を向いていたからだろう。
一方、時が流れてもヒドとコ・ユリム(ボナ)との関係は相変わらずである。ヒドが代表選手となって相部屋になっだが、近づくのは物理的な距離だけ。しかもケンカすればするほど、ヒドがユリムをどれだけ大好きだったか、今でも変わらない存在であるかが痛いほど伝わってくる。言い合い中にカッとなり、ユリムがファンからもらったと大事にしてた傘の持ち主が自分だと口にしてしまったヒド。ファンだった大切な思い出まで失いたくないはずなのに。ユリムは追いかけられるのではなく、振り返ってヒドと向き合わなければならない。