林遣都が見せた痛々しいほどの叫び　木村了も登場でますます盛り上がる『愛しい嘘』

「逃げなさい。あなたも殺されるわよ」

　秀一（林遣都）の母・サユリ（高橋ひとみ）から投げかけられた衝撃の言葉。初恋の相手と身も心も結ばれ、幸せ絶頂の最中にいた望緒（波瑠）はただ呆然と立ち尽くす。そこに同僚を通じて秀一に関する新事実を手に入れた玲子（本仮屋ユイカ）から一本の電話が。なんと秀一には恋人に暴力を振るい、傷害罪で逮捕された過去があった。

　『愛しい嘘～優しい闇～』（テレビ朝日系）第6話では、俳優・木村了演じる自殺した秀一の元恋人の兄・古堀和也が初登場。彼が現れたことにより、これまで閉ざされていた望緒の記憶の扉が少しずつ開かれていく。

　現在の秀一とはあまりに結びつかない過去を突きつけられ、動揺を隠しきれない望緒だったが、これ以上真実から目を背けないでいようと決意。玲子と共に、妹が自殺した件で秀一を訴えたという古堀から詳しい事情を聞くことになった。

　そこでは望緒にとってどんな辛い話が飛び出てくるかと思いきや、意外や意外、秀一は完全に潔白だったことが判明。恋人だと思われていた女性は一方的に秀一に思いを寄せていただけで、暴力を振るわれたというのも秀一を振り向かせるための嘘だった。真相を知り、訴えを取り下げた古堀は「雨宮さんには本当に申し訳ないことをしました」と後悔を語る。

　一方、実際に秀一と過去に付き合っていたという女性に会いに行った稜（溝端淳平）は信じられない話を聞く。秀一は女性に結婚詐欺をはたらいたり、知人から借りたお金を踏み倒したり、とんでもないクズ野郎だったというのだ。しかし、後から秀一が贖罪に回っていたということもあり、稜は「過去は過去」と自分が見聞きしたことは自分の中だけで留めることにした。

　こうして秀一にかけられた疑いは晴れたものの、古堀が初対面の時に浮かべた驚きの表情が気になる望緒。そんな中、玲子のマンションの掲示板に「みんな忘れないよ 中野幸」と書かれた手紙を貼った犯人が明らかに。望緒や後輩のりえ（松村沙友理）を襲った犯人と同じように、ミリタリーコートを深く被った怪しい男の正体は古堀だった。

　火事の後に中野が引き取られた親戚の家を訪れた際に稜が古堀の顔を見たこともあり、新たに「古堀和也＝中野幸」説が浮上。全ての事情を秀一にも明かして望緒たちは古堀の元を再び訪れる。しかし、すでに自分の存在を知られた彼は姿を消しており、自宅ももぬけの殻だった。

　真相を解く唯一の足がかりを失い、余裕を失った稜は秀一に「古堀に俺たちが来ることを伝えたのはお前じゃないのか」と再び疑いを向ける。でもそれは、けっして自分のためなんかじゃない。中野の家の火事になるきっかけを作った人間が次々と不審な死を遂げる中、自分も命を狙われているかもしれないのに、ずっと稜は望緒のことだけを気にかけていた。今回怒りをあらわにしたのも、望緒に心配ばかりかけながら自分は涼しい顔を保っている秀一が許せなかったから。たしかに秀一には疑わしいことが多すぎて、稜のいい加減にしてくれ、これ以上望緒を苦しめないでくれという気持ちは充分理解できる。