日台合作映画『ホテルアイリス』で鮮烈なデビュー 台湾の新人女優・陸夏(ルシア)に迫る

『ホテルアイリス』陸夏(ルシア)に迫る

永瀬正敏も「すごく肝が座っている」と絶賛

ホテルアイリス

ーー実際に永瀬さんと共演してみていかがでしたか?

ルシア:もちろん大先輩なので、最初にお会いしたときは少し距離を感じていましたし、永瀬さんご自身も少しシリアスな雰囲気をまとっていらっしゃる方だなと思っていたんです。ただ実際にお話ししてみると、イメージとは全く違う、すごくユーモアあふれる方で、現場の雰囲気作りにおいてもかなり気を配られていました。本当にプロフェッショナルな役者というのは、自分の演技に厳しいだけではなく、現場の空気感を盛り上げたり、スタッフの方にも気を配られる人なんだなと、とても学びになりました。私にとって初めての映画で、不安な部分もたくさんあったのですが、永瀬さんが「自分がいるから自信を持って挑みなさい」というスタンスでリードしてくださったので、とても頼もしい存在でした。

ーー役者としてのアドバイスをもらったりも?

ルシア:実は、お芝居について何も相談をしなかったことを後悔しているところなんです(笑)。あまりにも新人すぎて、自分の問題点すらわからない状況だったので、そもそも何を聞いたらいいか分からなかったんです。なので、ただ観察するしかなかったんですが、永瀬さんのお芝居への取り組み方だったり、セリフの言い回し、相手をどういうふうに立てながら自分の芝居を進めていくのかなどを遠くから目にすることができたので、永瀬さんのプロフェッショナルな仕事ぶりを見て学んだものはたくさんありました。

――永瀬さんはこの作品のオフィシャルインタビューで、ルシアさんについて「すごく肝が座っていると感じた」と語っていました。

ルシア:いま初めてそれを聞いたんですが、震えが止まりません。撮影期間、私は常に興奮状態だったので、アドレナリンがずっと出っぱなしだったと思うんです(笑)。いま振り返ったら、新人としての自分の立ち振る舞いや、なんであんなことを言ったんだろうと思うようなこともあって、ご迷惑をおかけしたり失礼に当たることがなかったか後悔するようなことも多々あるのですが、永瀬さんからそのような言葉をいただけてとても嬉しいです。コロナ禍でなければ、いますぐ日本に飛んでいって、握手をしながら永瀬さんに感謝を伝えたいです。

陸夏(ルシア)
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ーー国際的な作品で、しかもヒロイン役で映画デビューという華々しいスタートを切ったわけですが、ルシアさんの今後の役者としての目標などがあれば教えてください。

ルシア:自分にとって理想の役者というのは、個人の特色や個人的な魅力を持っていて、それが自分自身でどういうものかを分かっている人。永瀬さんをはじめ、私が素敵だなと思う役者さんは、皆さんそういうものを持ち合わせているんです。自分自身とは異なる役柄を演じるときも、自分の特色を保ちながら、その役に説得力を持たせて、生き生きと演じられることが重要だと思います。私もそういうふうに、自分自身の魅力を保ちながら、観客の方々に説得力を感じていただける演技を、これからもお見せできればと思っています。

■公開情報
『ホテルアイリス』
新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほかにて公開中
出演:永瀬正敏、陸夏(ルシア)、菜 葉 菜、寛 一 郎、マー・ジーシアン、パオ・ジョンファン、大島葉子、リー・カンション
原作:小川洋子『ホテル・アイリス』(c)幻冬舎文庫
監督・脚本:奥原浩志
撮影:ユー・ジンピン
音響:チョウ・チェン
美術:金勝浩一
音楽:スワベック・コバレフスキ
編集:チェン・ホンイー、奥原浩志
プロデューサー:リー・ルイ(李鋭)、奥原浩志、チェン・ホンイー、浅野博貴、山口誠、小畑真登
配給:リアリーライクフィルムズ+長谷工作室
製作:北京谷天傳媒有限公司、長谷工作室、紅色製作有限公司
2021年/日本・台湾合作/100分/日本語・中国語/ビスタサイズ/5.1ch/日本語字幕翻訳:奥原浩志
(c)長谷工作室

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