『ホテルアイリス』主演・永瀬正敏と原作者・小川洋子の対談が実現 新場面写真も一挙公開
2月18日に公開される日台合作映画『ホテルアイリス』で主演を務めた永瀬正敏と原作者の小川洋子の対談が実現。さらに新場面写真16点が公開された。
本作は、芥川賞作家・小川洋子の同名小説を『波』『黒四角』の奥原浩志監督が映画化したもの。台湾・金門島でオールロケを敢行し、『ソウルメイト/七月と弥生』『少年の君』などデレク・ツァン監督作品で知られる撮影監督ユー・ジンピンがクルーとして参加した。
寂れた海沿いのリゾート地で、日本人の母親が経営するホテル・アイリスを手伝うマリは、嵐の夜、階上に響き渡る悲鳴を聞く。女に暴力と罵声を浴びせ立ち去る男に衝撃をうけながらも、激しく惹かれていく彼女は、やがて男が住む離れ小島へ導かれ、ふたりだけの禁断の世界にのめり込んでいく。男は、ロシア文学の翻訳家で、住人たちは、彼が過去に起きた殺人事件の真犯人ではないかと、まことしやかに噂した。男とマリの奇妙な巡り合わせは、二人の人生を大きく揺さぶり始める。
小説では冴えない外見の初老男性として描かれていた翻訳家を映画では永瀬が演じたが、 小川は「キャラクターの本質を体現していた」と絶賛。永瀬は原作について、「いつの時代の、どこの国の物語なのかわからない、浮遊しているような感覚も含めて魅力を感じたんだと思います。普段は現場に入ってからは、原作をあまり手に取らないんです。でも今回は原作を持ち歩き、何度も読み返しました」と告白。
劇中のロケーションについて、小川が「素晴らしいですよね。よくこんな場所があったなって。しかもホテルアイリスの建物が、実際も民宿だと聞いて、『ああ、小説家が想像して作ったものだと思っても、実はこの世界のどこかにそれは存在してるんだな』と、ちょっと面白い錯覚に陥りました」と語ると、永瀬は「ロケーションは役を演じる上で、いわば共演者の一人みたいなもの。非常に大切なんです。小川さんが今おっしゃったように、金門島は原作のイメージにスッとつながって、監督はよく探されたなと思いました」と反応した。
また小川は「人によってはこの映画を観て、『ちゃんと言葉でわかるように説明してくれ』という気持ちになるかもしれません。でも実は、言葉にならない部分に重要な真実が隠れている。そこまで行き着いてほしいなと思います」と観客に向けてメッセージを送った。
取材が終わるとボロボロになった文庫本を取り出し、小川にサインを求めていたという永瀬。あわせて公開された場面写真では、そんな永瀬演じる翻訳家や、陸夏が演じるマリら登場人物の姿が切り取られている。
■公開情報
『ホテルアイリス』
2月18日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほかにて公開
出演:永瀬正敏、陸夏(ルシア)、菜葉菜、寛一郎、マー・ジーシャン、パオ・ジョンファン、大島葉子、リー・カンション
原作:小川洋子『ホテル・アイリス』(c)幻冬舎
監督・脚本:奥原浩志
撮影:ユー・ジンピン
音響:チョウ・チェン
美術:金勝浩一
音楽:スワペック・コバレフスキ
編集:チェン・ホンイー、奥原浩志
プロデューサー:リー・ルイ(李鋭)、奥原浩志、チェン・ホンイー、浅野博貴、山口誠、小畑真登
配給:リアリーライクフィルムズ+長谷工作室
製作:北京谷天傳媒有限公司、長谷工作室、紅色製作有限公司
2021年/日本・台湾合作/100分/日本語・中国語/ビスタサイズ/5.1ch/日本語字幕翻訳:奥原浩志
(c)長谷工作室