『イカゲーム』イ・ユミ、『はちどり』パク・ジフ 『今、私たちの学校は…』俳優陣に注目

『今、私たちの学校は…』は若手俳優の宝庫

 未曾有の危機にこそ現れる人間の利己的な面をリアルに描いた映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』。史劇×ゾンビという斬新なテーマで新たな境地を開いたドラマ『キングダム』シリーズ。ゆがんだ人間の欲望が怪物に変身するという、新たなアイデアで世界を魅了したドラマ『Sweet Home-俺と世界の絶望-』など、常に進化を続け、世界中の人々の心を捕らえてきた“Kゾンビ”。そんな名作たちに続き、世界を熱狂させているのが『今、私たちの学校は…』だ。

 本作は人気ウェブ漫画を原作に、ゾンビウイルスが広がった孤立無援の学校の中で、生き残るために仲間と助け合い、死闘を繰り広げる学生たちの姿を描いたサバイバルゾンビアクション。公開日にNetflix世界1位を記録するという快挙を成し遂げ、『イカゲーム』や『地獄が呼んでいる』に続き、爆発的反響を得ているNetflixオリジナル作品だ。

 ドラマと共に今一際注目を集めているのが、フレッシュな新人俳優たち。本作は視聴者が作品をよりリアルに感じられるように、トップスター中心のキャスティングではなく、新人俳優で出演陣を固めたという。※1 しかし、前述したヒット作をチェック済みの視聴者であれば、彼らが普通の新人俳優ではないということは認識しているだろう。『賢い医者生活』『イカゲーム』など話題作で強烈な印象を残したライジングスターたちだ。今後ドラマ界に新たな旋風を巻き起こしそうな本作の出演俳優たちを紹介したい。

一度見たら忘れられない強烈な眼差しのパク・ジフ

 透き通る白い肌と、全てを見透かされているような真っ直ぐな眼差しが印象的だったナム・オンジョを演じたのは、注目の若手女優パク・ジフ。視聴者をグッと画面に惹きつけるオーラを放った彼女は、2016年に映画『隠された時間』でデビューし、映画『目撃者』、ドラマ『凍てついた愛』などに出演。彼女が一躍注目を浴びたのは、2019年に韓国で公開された映画『はちどり』。鮮烈な眼差しで14歳の少女ウニの心の内を表現し、トライベッカ映画祭では最年少主演女優賞を受賞するなど、韓国映画界の期待の星として浮上した。

『はちどり』(c)2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.

 『今、私たちの学校は…』では同年代の俳優たちと抜群のケミストリーを見せた彼女だが、待機作の映画『コンクリートユートピア(原題)』は、イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨンといった錚々たる俳優たちと共演し、また新たな一面を披露しそう。大震災で廃墟となったソウルで、唯一残ったアパートに生存者たちが集まって繰り広げるという、偶然にも同じ災難ものだ。また、2022年韓国で放送予定のドラマ『若草物語(原題)』にキム・ゴウンらと出演する。貧しくも仲睦まじい3姉妹が、韓国一の富豪家族に立ち向かうというストーリーで、既に期待作として注目を集めている一作だ。映画とドラマを行き来し、今年は彼女の飛躍の年となりそうだ。

子役出身の演技派、ユン・チャンヨン

 オンジョに真っ直ぐに思いを寄せる幼なじみのイ・チョンサンを演じたユン・チャンヨンは、子役から活躍する演技派俳優。出演俳優たちの中で最もトップスター俳優たちと肩を並べた俳優だといえるだろう。周りの友人たちより冷静で正義感溢れるチョンサンだが、佇まいだけでどこか情を抱かせる立体的なキャラクターとなっていたのは、彼の俳優としての経験値からくるものでもあったに違いない。

 ドラマ『男が愛する時』に子役としてデビューした彼は、『ママ~最後の贈りもの~』でソン・ユナが演じたハン・スンヒの息子役で印象的な演技を見せ、「第二のユ・スンホ、ヨ・ジングになる」と、一躍注目を浴びた。歴史大作『六龍が飛ぶ』ではピョン・ヨハンの子役、『浪漫ドクター キム・サブ』ではユ・ヨンソクの子役、『30だけど17です』ではヤン・セジョンの子役など、約5年間で10本を超える作品で子役を務め、着実にキャリアを固めてきた。子役時代を脱してからも『医師ヨハン』や『誰も知らない』でその非凡さを見せつけた。ロールモデルにキム・スヒョンとコン・ユを挙げているだけあって、格別なオーラを放ち、既に大物感が漂う若手のホープだ。※2

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