オダギリジョー、なぜ初朝ドラは今だった? 『カムカム』は改めて絶頂なタイミングに

オダギリジョー、なぜ初朝ドラは今だった?

 オダギリジョーの魅力は言わずもがな個性的な世界観だろう。好きになってはいけない、けど嫌いになれない。関わらずにはいられない、放っておけない。けれど弱いわけではない。彼にそんな男を演じさせたらピカイチである。気付いたらオダギリジョーが演じるキャラクターに飲み込まれ、心に居つかれてしまうのだ。

 つかみどころがないように見えて、そばにいてくれる暖かさも感じられる錠一郎の元からるいが離れずに暮らし続ける理由は、多く語られずとも腑に落ちるだろう。2021年に放送されたばかりの『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系)でも不思議な魅力で女性を虜にする小鳥遊大史役で注目を集め、オダギリジョーの演じる“人たらし”ぶりは常に話題を呼んできた。

 その感性は俳優業だけでなく監督業にも活かされ、毎話持ち回りで人気監督が担当することでも注目を集めた『時効警察』シリーズ(テレビ朝日系)のシーズン2にあたる『帰ってきた時効警察』の第8話では自らが出演しながら脚本、監督を務めるなど、映像づくり全体に生きている。また、自ら演出・脚本・編集を手掛けた『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(NHK総合)が池松壮亮主演で放送され、オダギリジョー本人も着ぐるみを着たオリバー(犬)としてシュールな姿を披露。

 独自路線を突っ走るも俳優・監督として唯一無二の力を持つオダギリジョーだからこそ、波瀾万丈の人生の中で幸せを掴もうとする役にも余計に説得力が増し、心を打つのだろう。京都の新生活で出きた長女のひなた(新津ちせ)も小学4年生になり、まもなく2人目の子も生まれるようだ。錠一郎の父親ぶりもすっかり板に付いてきた。チューリップハットにサングラス、サイケな柄の服を着こなす姿は役を飛び越え本人そのもの。45歳、まだまだオダギリジョーは自分の道を走り続ける。

※記事初出時、本文に誤りがありました。以下訂正の上お詫び申し上げます。(2022年2月6日11時20分)

誤:松坂桃李、瀬戸康史、竹内涼真、福士蒼汰、磯村勇斗なども、30歳前に『仮面ライダー』シリーズと朝ドラへの出演を果たしている。
正:瀬戸康史、竹内涼真、福士蒼汰、磯村勇斗なども、30歳前に『仮面ライダー』シリーズと朝ドラへの出演を果たしている。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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