『紅の豚』で味わう森山周一郎さんの“粋”な声 ポルコ・ロッソのかっこよさの源を知る

『紅の豚』で味わう森山周一郎さんの粋な声

 そんな“粋”の象徴的な存在がポルコ・ロッソで、宮崎駿監督が自らの憧れを投影したと言われている。男も憧れる男のロマンの塊であるポルコ・ロッソを、森山さんはいぶし銀のような低音ボイスで粋に演じた。口数こそ少ないが、その分の一言が重く、「飛ばねえ豚はただの豚だ」という言葉はあまりに有名。映画を観たことがなくてもフレーズとして聞いたことがあるだろう。その演技は実に自然体なセリフまわしで、数多くの粋な男たちを演じてきた森山さんだからこそできたものだろう。

 1992年に『紅の豚』が公開されて以降、バラエティ番組に出演した際にはボルサリーノを被ったトレンチコート姿というポルコ・ロッソの扮装をたびたびした森山さん。ポルコ・ロッソの名言を言うなどサービス精神もたっぷりだった。2017年まで更新されていたオフィシャルブログは、『紅の豚・刑事コジャック 森山周一郎オフィシャルブログ』とタイトルが付けられたように、本人もお気に入りの一作だったようだ。そのブログには、「一度聴いたら忘れられない、低く深く響く心に残る声」という一文も添えられていた。森山周一郎さんのダンディな声は、『紅の豚』のポルコ・ロッソとして多くのファンの心に刻まれている。

■放送情報
『紅の豚』
日本テレビ系にて、1月14日(金)21:00~22:54放送
原作・脚本・監督:宮崎駿
音楽:久石譲
声の出演:森山周一郎、加藤登紀子、桂三枝、上條恒彦、岡村明美、大塚明夫、関弘子
(c)1992 Studio Ghibli・NN

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「作品評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる