『ミステリと言う勿れ』菅田将暉が作り上げる“整”像 長台詞をしっかりと“心に響く言葉”に

『ミステリと言う勿れ』菅田将暉が作る整像

 整理整頓の整と書いて「ととのう」と読む。この男はまさに整頓された言葉で周りの人たちの心をゆっくり解きほぐしていくのだった。『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)が1月10日に90分拡大版で初回放送を迎えた。本作は、田村由美による人気同名コミックを原作とし、天然パーマがトレードマークの主人公・整を菅田将暉が演じる。関わってきた人々の些細な言動をほぼ記憶し、そこから生まれた見解を淡々と述べることで事件を解決へと導く様子はまさに新感覚のミステリといえよう。事件解決で得られる爽快感だけでなく、整の持つ膨大な知識量から生まれる持論の数々に大きく頷かずにはいられない作品だ。

 ある日突然、殺人事件の加害者として取り調べを受けることになってしまった整。殺された寒河江(藤枝喜輝)と高校からの同級生であったことから疑惑の目をもたれてしまったが、整自身にはなんの心当たりもなかった。しかし取り調べを受けるうちに、整は巡査である風呂光聖子(伊藤沙莉)や池本優人(尾上松也)の私的な問題をやんわりと包み込んでゆく。次第に刑事たちも整のペースに持っていかれ、整と話すことで心が救われるように。そんな矢先、風呂光のとある発言をきっかけに、事件の真犯人が浮かび上がり、整は取調室から出ることなく事件を解決まで導くのだった。

 本作の見どころは、なんと言っても入れ子のように複雑に重なる事件の真相が、整の言葉によって“整頓”され、ゆっくりと核心に迫っていく様子だろう。被害者だけでなく、加害者の気持ちの奥底にまで踏み込むことで物語はより重みを増す。整は、愛猫が亡くなり落ち込む風呂光に、「あなたに死ぬところを見せたくなかったんです、風呂光さんのことが大好きだったからですよ」と、ペット視点からの暖かい言葉をかける。まっすぐと目を見て語りかける姿からは、まさに言葉によって解きほぐすセラピーのような力を感じた。

 だが、一方の薮鑑造(遠藤憲一)に対しては、彼が抱えていた家族の問題を切り口鋭く紐解き、残りの人生でやるべきことを説いていく。そこには整自身が父親に持つ特別な感情も見え隠れしており、見抜いていたかのような青砥(筒井道隆)の「自分の父親への恨みを話しているようだったな。久能よ、お前もおじさんになるんだぞ」という言葉からは、今後明かされるだろう整自身のバックボーンへの興味もそそられた。



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