『鬼滅の刃』遊郭編も本格戦闘シーンへ “覚醒”していく炭治郎を花江夏樹はどう演じる?

 2021年末の放送で、いよいよ激しい戦闘が始まった『鬼滅の刃』遊郭編。地上では、堕姫の強さに圧倒されながら何とかわたり合う炭治郎。蚯蚓帯を追いかけて地下の食料貯蔵庫にたどり着いた伊之助は、須磨、まきを、善逸を助け出した。そこへ派手に登場した天元。第4話、第5話を振り返りながら第6話の見どころを解説したい。

『鬼滅の刃』公式サイト

 蕨姫花魁が上弦の陸の鬼・堕姫であることを突き止めた天元は、善逸が行方知れずになっていることを炭治郎と伊之助に詫び、戦線から離脱することを命じる。しかし炭治郎と伊之助は、自分たちで善逸らを助けることを決めて行動を起こした。

 匂いで地上から鬼の気配を追いかけた炭治郎は、その先で堕姫と出くわす。堕姫は、今まさに鯉夏花魁を帯に取り込もうとしていた。鯉夏は、事情を聞かず炭治郎を優しく見送ってくれた、ときと屋の花魁だ。演じるのは、『ケロロ軍曹』の日向夏美、『〈物語〉シリーズ』の戦場ヶ原ひたぎ、『魔法少女まどか☆マギカ』の暁美ほむらで知られる斎藤千和。殺伐とした物語で、炭治郎と鯉夏のやりとりは心が温かくなる瞬間だった。その鯉夏までもが捕らえられてしまった今、怒りとともに、煉獄杏寿郎などこれまでに炭治郎が出会ってきた人々の姿が脳裏によぎる。「もう理不尽に人の命を奪わせない」。炭治郎の力の源は、人々を救いたいという気持ち。上弦の鬼の強さに圧倒されながらも、冷静な状況判断力で戦う炭治郎。「負けるな、心を燃やせ」。体温を上げることで炭治郎の能力は大幅に向上した。

 野生の勘で蚯蚓帯が荻本屋の地下深くへ逃げたことを感じ取った伊之助は、全身の関節を外して地下深くまで追いかけた。蛇のように体をくねらせながら狭い穴を進むと、鬼の食料貯蔵庫にたどり着く。侵入者を許してしまったことに怒り心頭の蚯蚓帯は、『美少女戦士セーラームーンCrystal』の愛野美奈子/セーラーヴィーナスや『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトで知られる伊藤静が演じた。「この糞虫が!」。伊之助を罵倒する言葉とは裏腹に、力強さと気品を感じさせる声は、艶やかな帯そのもの。

 伊之助は飛び跳ね回転しながら帯を切り刻んでいくが、くねって切りづらい上に人間を守りながらの戦闘を強いられる。そこへ帯に捕まっていた天元の妻の須磨とまきを、さらに善逸が加勢する。善逸らに武器を届けたムキムキねずみの声は、木村昴が担当した。意外な配役の豪華さは、『鬼滅の刃』シリーズの名物だ。これまでにも、限られた出番でありながら、煉獄千寿郎を榎木淳弥、錆󠄀兎を梶裕貴、炭治郎が浅草で立ち寄ったうどん屋の店主・豊を岩田光央と主役を演じることも多い声優たちが本作には参加している。今後もどこでどんな人気声優が登場するか、目が離せない。

 伊之助たちの窮地を救ったのは、雛鶴を救出後、地下にいる鬼の帯の気配を察知した天元だった。「遅れて悪かったな」。ヒーローの登場に、思わず泣きじゃくったまきをと須磨。「任務遂行より命。派手にぶっちゃけると、かたぎの人間よりおまえらの命のほうが大事だから」。過酷な任務の中で天元にかけられた言葉を思い出すまきを。2人の頭を撫でるシーンは、天元のヒューマニストな一面が垣間見られたシーンだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる