市川実日子、『カムカム』でもバイプレイヤーの才を発揮? るい×ベリーの未来を占う
上白石萌音、深津絵里、川栄李奈が主演を務めるNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。るい編から新キャストとして市川実日子が登場し、早くもドラマのスパイスとなる名バイプレイヤーぶりを見せている。そこで、俳優・市川の魅力を掘り下げ、彼女が演じるジャズ喫茶に通う女子大生のベリーの今後を占ってみたい。
今作は、昭和・平成・令和と3つの時代をラジオ英語講座と共に歩んできた祖母・母・娘の3世代を描く100年のファミリーストーリー。現在は深津演じる第2代ヒロイン・るいのパートに。“自分らしく自由に生きていきたい“と願い、18歳で岡山から大阪に出てきたるいは、平助(村田雄浩)と和子(濱田マリ)の夫婦が営む竹村クリーニング店で住み込みで働く。ふとしたきっかけで入ったジャズ喫茶「Night and Day」でトランペットを演奏していたのが、クリーニング店の常連客だが、名前や住所など素性も分からないことから「宇宙人」と呼んでいた謎の男、大月錠一郎(オダギリジョー)、通称“ジョー“だ。この出会いが、るいとジャズとの距離を縮めていく。
ベリーは、ジャズ喫茶「Night and Day」に通い、ジョーに惚れているおっかけの女子大生。ジョーとるいの関係に気もそぞろで、るいに対して敵対心むき出しで迫ってくる良家の令嬢という役柄だ。
そんなベリーを演じるのが市川。これまで市川が演じてきた役は幅広いが、個性的な存在感は変わらずにドラマに溶け込む理由は、どんな役柄でも自分の中に落とし込み、相手に媚びず、さらりと嫌味なく見せるから。悪目立ちせず作品の理にかなった演技は、飾らない演技を見せる小林聡美との多くの共演で学んだことが大きいのかもしれない。
近年、市川の演技が注目を集めたのは、2016年の映画『シン・ゴジラ』での、ゴジラの生態を探る環境省自然環境局野生生物課の課長補佐・尾頭ヒロミ役。常に冷静沈着で、無表情で解析を進めていく役を淡々と演じ、終盤に一瞬見せる笑顔の演技が魅力的だったと話題に。また、2018年のドラマ『アンナチュラル』(TBS系)での、主人公・ミコト(石原さとみ)の同僚で臨床検査技師の東海林夕子役は、シリアスになりがちな作品テーマの中で、お茶目な演技が場を和ませる一方、ミコトを支える格好良さも見せる。最近では『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系)での恋に興味を持たない役など、いろんな顔を見せるが、どれも親友役として主人公を際立たせる名バイプレイヤーぶりを見せてきただけに、『カムカムエヴリバディ』にも期待が高まる。