『最愛』岡山天音演じる刑事・藤井の謎を考察 考えられる2つの可能性

『最愛』岡山天音演じる刑事・藤井の謎を考察

 藤井の当時はどうか。台風の夜、康介の友人の長嶋たちは、友人が来ると祝勝会に行かず、女性禁止の寮に、陸上部マネージャーの青木菜奈(水崎綾女)など女性を引き連れて寮内に入り込み、康介が持ち込んだ大麻パーティーが行われる。大麻欲しさだったり、撮られた記憶がないとも言えるが、青木は康介に裸の写真を撮られた被害者なのにパーティーに参加していることに一つの疑問が。しおり(田中みな実)など被害女性が多いだけに悪い噂は広まっているはずで、また寮父の達雄や梨央も康介が寮に上がり込んでくることを良く思っていなかっただけに、要注意人物だったのは明白だ。青木は、当初から恨みを持ち殺害に加担した可能性もある。極論で言えば、当初から康介殺害計画が練られ、その共犯が藤井ならどうだろう。後に、達雄の葬式の際に、悲しみとは違う暗い顔をしていて、青木も何か秘密を隠して怯えているような表情を見せていた。ミスリードの可能性も高いが、本来ならまだ康介が殺害されたことや、達雄が死体遺棄をしたという情報はないはずなのに。その後、あの明るかった藤井から笑顔が消えた。

 もう一つ可能性があるなら、後の長嶋の証言だと達雄の叫び声が聞こえたというが、もし藤井がパーティーに参加せず寮に帰ってきたら、普通なら駆けつけるだろう。そこで死体遺棄に協力した可能性もなくはない。富山県警に就職したのも事件を隠蔽するためかも。また、当時しおりのことが大好きで、転落死の知らせを聞き、いてもたってもいられず富山から飛んできたという可能性も無きにしも非ず。それなら藤井が当時康介の殺害計画を企ていても不思議ではない。 

 ただやはり梓との関係が焦点となるだろう。梓はとにかく梨央に新薬を作らせたい一心で、邪魔されないよう様々なことを葬り、身を呈して庇ってきたが、藤井も協力者なのだろうか。岡山天音は表情が読めない演技が上手い役者だが、あまり悪役をするイメージがないので、最後まで味方であってほしいところだ。

 いずれにせよ、梨央の新薬で優の記憶が戻り、全てを思い出しそうな気がする。そしてそこに映っていたのが殺害している梨央の姿なら、家族ぐるみで隠蔽も分かる。それが大輝の姿なら、まさに『最愛』といえる展開だが、果たして。

■放送情報
金曜ドラマ『最愛』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:吉高由里子、松下洸平、田中みな実、佐久間由衣、高橋文哉、奥野瑛太、岡山天音、薬師丸ひろ子(特別出演)、光石研、酒向芳、津田健次郎、及川光博、井浦新
脚本:奥寺佐渡子、清水友佳子
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子
編成:中西真央、東仲恵吾
主題歌:宇多田ヒカル「君に夢中」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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