豊田利晃×鼓童×日野浩志郎『戦慄せしめよ』2022年1月より劇場公開 予告編&ポスターも
映像配信のみでの発表となっていた豊田利晃監督作『戦慄せしめよ』が、2022年1月28日より全国順次公開されることが決定。あわせてポスタービジュアルと予告編が公開された。
本作は、佐渡島を拠点に日本の伝統芸能を世界に発信し続け、今年創立40周年を迎えた太鼓芸能集団・鼓童の初の主演映画。鼓童メンバーから届いたメールをきっかけに、気鋭の現代音楽家・日野浩志郎(goat/bonanzas/YPY)が延べ1カ月に及ぶ鼓童村での滞在制作で完成させた楽曲群を、豊田監督が全編を佐渡島で撮影、映像化した。日本の原風景をとどめる佐渡島の歴史と神秘を紐解き、音と映像に込めて届けるセリフの一切ない音楽劇となり、豊田組の盟友である渋川清彦も出演している。
佐渡島に流刑された世阿弥のような幽霊が道を歩いている。男は能面を被り、岸壁に立つと火のついた松明で空を叩く。時空を超え、現代の岸壁で裸で太鼓を叩く鼓童の男。太鼓の音は燃え盛る炎のように高まり物語が始まる。
あわせて公開された予告編では、日野の音楽流れる中、鼓童の演奏風景と合わせて、佐渡島の風景が映し出されている。豊田監督、鼓童の住吉佑太からはコメントも到着している。
『戦慄せしめよ』は、2022年1月28日から2月10日にかけてシネマート新宿にて、2022年2月11日から2月17日にかけてシネマート心斎橋にて上映される。なお、シネマート新宿は2月3日までブーストサウンド上映、シネマート心斎橋ではboidsound上映が行われる。
コメント
豊田利晃(監督・脚本)
2020年12月、日本中がコロナパンデミックで真っ赤に染まる中、感染者がゼロの佐渡島で俺たちは祈るように撮影をしていた。極寒の佐渡島を恐れることなく、ただ太鼓の音にだけ震えた。鼓童の硬質なストイックさに忘れていた未来を感じた。あの時期、あの場所でないと映らない霊気がここにある。
音で奏でるドキュメンタリー。時代が戦慄している。
太鼓芸能集団 鼓童 住吉佑太
日野浩志郎氏と共に、音作りに没頭できた日々は、鼓童にとっても意義のある時間となった。
日野氏は、我々とはまったく違った視点から、鼓童の音楽を見つめ直し、当たり前のように叩き続けてきた太鼓の音の中に、新たな響きを見出そうとしていた。一般的に太鼓は、郷土芸能を想起させることが多い。
しかしこの作品の中での太鼓は、そこを通り越して、自然そのものを感じさせる。
極限まで洗練された音楽性は、その音色を際立たせ、無個性でありながら自然的な力強さを生み出した。
誰も経験したことがないパンデミックの最中、静かに迎えた鼓童創立40周年。
劇場で音が届けられない状況下で、自分たちの音楽性や在り方を問い直した。
「戦慄せしめよ」というこの映画をきっかけに、豊田監督や日野氏に出会い、新たな価値観や音楽観に触れられたことは、今の時代にも太鼓と向き合い続ける鼓童にとって、必然である気がしてならない。
■公開情報
『戦慄せしめよ』
2022年1月28日(金)~2022年2月10日(木)、シネマート新宿(ブーストサウンド上映〜2月3日(木)まで) ※2週間限定上映
2022年2月11日(金)~2022年2月17日(木)、シネマート心斎橋(boidsound爆音上映) ※1週間限定上映
監督・脚本:豊田利晃
音楽:日野浩志郎
演奏:太鼓芸能集団 鼓童(阿部好江、中込健太、小松崎正吾、住吉佑太、鶴見龍馬、小平一誠、前田順康、吉田航大、三枝晴太、渡辺ちひろ、小野田太陽、詫間俊、中谷憧)
出演:渋川清彦
制作プロデューサー:沖鷹信
プロデューサー:安澤太郎、黒瀬万里子
企画・製作:越島
配給:豊田組
2021年/日本/89分/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/DCP
(c)越島
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