猪塚健太、15年間の役者人生の節目を迎えて 「ようやく“こっからでしょ”と思えるように」

猪塚健太、俳優人生を振り返る

「また猪塚と一緒にやりたい」と思ってもらえるように

――そこに、予期せぬコロナ禍が訪れます。

猪塚:それまでコンスタントに舞台をやっていたんですけど、2020年に決まっていた舞台が一気に公演中止になったんです。ほぼ丸々1年間何もない状態になって、本当に考えられないくらい辛くて、落ち込みました。でも、その時にマネージャーさんともたくさん話し合って、「半強制的にスケジュールが空いたことを逆手にとって、映像作品を本格的に頑張ってみよう」と意見が合致したんです。当時は苦しかったですけど、そういう状況になったからこそ2020年~2021年の方向性が決まったと、プラスに捉えるようにしていました。

――またお芝居ができた時には、どんな感覚でしたか?

猪塚:嬉しかったですね。しかも自粛期間があけて最初の作品が映画『ポルノグラファー』の撮影だったので、より解放感がすごくて(笑)。『地球ゴージャス』で悔しい思いをした後、お芝居がものすごく楽しかった時の感覚に似ていたかもしれないです。

――解放感に解放感が重なったわけですね(笑)。役者を続ける中で「これだけは」と決めているルールはありますか?

猪塚:ルールかぁ……人として「また一緒に何か作りたい」と思ってもらえる人間でいたいなって。やっぱり作品は人と人との繋がりが大切なので、一緒に仕事をしてくれた方が1人でもいいから「また猪塚と一緒にやりたい」と思ってもらえるようにすることですかね。

――改めて、これまでの役者人生を振り返ってみていかがですか?

猪塚:20代の頃は正直焦っていたし、うまくいかないことばかりで落ち込んでいたけど、35になって、ようやく「こっからでしょ」と思えるようになりました。劇団にも10年いて、大変だったし、できなかったこともたくさんあるけど、その時代がなければ今はないですから。

――当時は何を原動力に?

猪塚:僕が役者を続けているのは、こんな僕を気にかけて好きでいてくれて、応援してくれる人のためなんです。自分のことは一番どうでもよくて、「ファンの方々や家族がいるから頑張らなきゃ」と思えば乗り越えられます。自分で選んだ道ですしね。良いことを言ってる風ですけど(笑)、狙っているわけじゃなくて本当にそうなんです。

――すごく良いことを言ってますよ(笑)。でも、支えてくれる人の存在が原動力なんですね。

猪塚:たとえばオーディションに落ち続けると、自分自身を否定され続ける感覚になって、自分は駄目なんだ、必要とされてないんだ、と思う時期が続くんです。やめたいなと思うこともたくさんありましたけど、応援の手紙やコメントを読んで持ち堪えて。それを繰り返すうちに、“自分が見られること”よりも、“自分が出演する作品を見て喜んでもらうこと”が楽しくなってきました。年を重ねれば重ねるほど、そう感じますね。

――役者としての現在地については、どう捉えていますか?

猪塚:今はまだ、1人でも多くの人に「こんな役者がいるんだ」と知ってもらわなければいけない段階です。そのためにも、とにかく演じ続けることを頑張る時期、頑張りたい時期。ようやく、少しずつですけど作品に出させてもらえるようになったので、よりいろんなジャンルの役にチャレンジしていきたいと思っています。

――ファンの方には、この先どんな姿を見せていきたいですか?

猪塚:これからも様々な役をやっていくと思うので、それを楽しみつつも、強火の熱を冷まさずにいてほしいです。もちろん僕がガスを出し続けて、強火になるようにしなきゃいけないんですけどね。(笑)。

――まさにエネルギーですよね。石炭くべて、みたいな。

猪塚:本当に。(石炭をくべる動作をしつつ)お互いにくべ合っていくスタンスで。提供するだけじゃなく、僕ももらわないと走れないので(笑)。

――お話を伺って、12月2日発売のパーソナルブック『Special Thanks』にファン想いの企画が多いことにも納得しました。

猪塚:事前にファンの方から質問を募集して、本のタイトル通り“感謝を込めて”いただいた質問にはできる限り答えました。役者15周年の節目でもありますし、35歳にして新たなスタートが切れたらと思っています。

■書籍情報
『awesome! Special Edition 猪塚健太「Special Thanks」』
発売中
発売元:株式会社 シンコーミュージック・エンタテイメント
【特典情報】
アスマートショップほかにて、初回限定購入者特典を予定

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猪塚健太のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

【応募方法】
リアルサウンド映画部の公式Twitterをフォロー&該当ツイートをRTしていただいた方の中からプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンド映画部の公式Twitterアカウント、もしくは公式InstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
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<リアルサウンド映画部 公式Twitter>
https://twitter.com/realsound_m

<応募締切>
12月17日(金)

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