小関裕太×佐藤寛太が築いた“信頼関係” 『ゴースト・オブ・レディオ』で発揮するコンビ力
ニッポン放送開局70周年×WOWOW共同製作生配信ドラマ『ゴースト・オブ・レディオ ~バチボコ怖い心霊バスツアー~』が、Streaming+、PIA LIVE STREAMにて11月17日、29日ともに20時から生配信される。
将来を有望視されていた山本秀太(小関裕太)と工藤拓也(佐藤寛太)のお笑いコンビ・FUJIYAMAが突然解散して5年。山本はマネージャーに転身し、三四郎のマネージャーをしていた。『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』関連特番の放送直前に行われた心霊バスツアーで、ある大事件が起こって……。
生配信ドラマ『あの夜を覚えてる』、続編『あの夜であえたら』を制作したニッポン放送とWOWOWがタッグを組んだ本作。大九明子が監督、脚本を大九とともに林田洋平(ザ・マミィ)が務め、本人役として三四郎、番組ディレクター役で吉住が出演する。本作の稽古に入る前の小関と佐藤にインタビューを実施。20代前半から親交が深いという2人は、お笑いコンビという役どころを通してどんなコンビネーションを発揮するのだろうか。2人が考える“ラジオの魅力”とあわせて、本作への意気込みを語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
向き合ったのは“リアルタイムでドラマをやる意味”
ーーまずは「生配信ドラマ」と聞いて、どんなことを感じましたか?
佐藤寛太(以下、佐藤):「何それ?」というところからはじまりました(笑)。イメージが湧かなかったので、怖くて怖くて仕方なかったです(笑)。
小関裕太(以下、小関):千葉雄大さんが出られていた『あの夜を覚えてる』を拝見したのですが、すごいクオリティで! ラジオ好きはもちろん、普段、ラジオを聴かない人にも「ラジオっていいな」って刺さる感動ポイントがあったんです。あとカメラ数や照明もすごくて……。それを今回のこのメンバーとこのシチュエーションでどうやるのか、そこに飛び込んでいくのが面白そうだなと思いました。大九さんの映画は、人情や人間味を感じる作品のイメージがあるので、大九さんや林田さんが作った作品と、この生配信ドラマの化学反応がとても楽しみです。
佐藤:ドラマってさまざまな段階を踏んで作られるから、リアルタイムの作品に旨味があるのか気になっていたし、「リアルタイムでドラマをやる意味って何なんだろう?」って考えたんです。今回の脚本を拝見すると、要所に入る仕掛けが、いい意味でラジオ感があって面白い。そのときに起こっている身の回りのことを交えつつやれるので、それがワクワクにつながるのかなと思いました。
ーー心霊バスツアーを舞台にした物語の内容はいかがでしたか?
小関:めちゃくちゃ面白かったです!
佐藤:面白かったよね~。
小関:今回は舞台のようなことをやるんですが、それを映像として立体的に切り取るドキドキ、ワクワク感みたいなものが感じられるんじゃないかなって思います。配信ドラマだからこその仕掛けや奥行きがあって楽しみです。
佐藤:ただ、芸人さんの役って一番苦手なんですよ(笑)。だって、「芸人です」って自己紹介した瞬間に、「この人なにか面白いことを言うんだろうな」みたいな期待感が高まるじゃないですか。だから芸人さんの役と聞いたときは「最悪だ!」と思いました(笑)。でも脚本も、キャストの方々も、そして監督も、めちゃくちゃ面白そうだったので、ぜひやりたいなと思いました。
ーーリスナーとして、ラジオの魅力はどんなところにあると感じていますか?
佐藤:僕、知識を得る方法って「見ること」、「聴くこと」、「読むこと」の3つに分けられると思っていて。「読む」も視覚に入ると思うんですけど、読むって思考だから「見ること」と「読むこと」に分けられると思うんですよね。まず、「見ること」に関しては、例えばYouTubeを見て情報を得ようとしても、YouTubeは情報量が多すぎて、自分の思考が構築される前に次の話題になるから、ずっと受け身になっちゃう。でも見入っちゃうんです。
小関:なるほど。
佐藤:「読むこと」に関連する本や文章は、自分のペースで読めるので、書いた人の思いが乗っていても「この人のここは違うな」って取捨選択ができる。ラジオはその中間で、聴いていると「この人単体では嫌いだけど、この3人組だったら好きだな」とか、「直接会って話したら絶対話が合わなそうだけど、この人のこういう考えは素敵だな」とかあるじゃないですか(笑)。そういうのも含めて人となりを知れるし、ツールとしてもめっちゃ魅力的で、移動時間によく聴いています。
ーーラジオは聴き入れることができるし、情報の取捨選択もできる、いいとこどりなんですね。
佐藤:あと単純に芸人さんのラジオが面白い。『中川家ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)とかマジヤバいっす。舞台の共演者が聴いていて知ったんですけど、「なんでこんなくだらないことをずっと喋れるの?」って思うんです(笑)。この間は、中川家さんが「新紙幣の肖像ものまね」をしていて、誰も正解が分からないうえに抽象的なのに、それを30分とかかけてやるんです。なかには、飲み会のくだらないおじさんの話みたいなトークもあって、めっちゃ面白いんですよね。
小関:僕もラジオに触れる機会で言うと、車を運転しているときとか、鍼の先生がずっとラジオを流しているので、それを聴いています。経済の話をする番組もあれば、ゲストとトークをする番組もあるし、くだらない話をする番組もあったり、全番組に共通するのは、「距離が近い」って感じられるところですね。
佐藤:確かに。あれ嬉しいよな。
小関:僕、ラジオでくだらないことを話していると、車のなかで「何言ってんの!」、「いや、話が変わってないやん!」とかツッコんじゃうんです(笑)。
佐藤:それあるなー。
小関:向こうは僕が聴いていることなんて知らないけど、「一緒に喋っている感じがする」というのは、テレビともYouTubeとも違う距離感なのかなと思います。しかも、それが収録の場合もあるけど、生放送が多くて、今を感じられる。普段、寂しいわけじゃないけど、寂しくないって感じられるんですよね。ラジオには、温もりを感じて一緒に話した気になる面白さがあるなって思います。