『鬼滅の刃』無限列車編、諦めない煉獄さんの“心の強さ” 最期の戦いで見せた固い決意

 冒頭に記した通り、本作の劇場版は興行収入400億円を突破。その功績は、この煉獄さんの活躍にあると言える。公開当時、日々歴代の最高興行収入を塗り替えていく本作において、煉獄さんは「〇〇億円の男」と呼ばれた。本作では「強き男」として描かれている煉獄さんだが、魘夢の夢で明らかとなったように、複雑な家庭事情を抱えていた。

 自身を鼓舞してくれた母親とは幼少期に死別し、指導者として自分を導いてくれるはずだった父親に「剣士を辞めろ」と突き放されるも、鬼狩りの名家・煉獄家の長男である彼には「鬼殺隊」への道しか選択肢はなかった。才能があるといっても、師となる父は酒浸り状態。そのため、煉獄さんはたった3冊の炎の呼吸の指南書だけで剣士となったのだ。彼の強さの裏には、想像できないほどの努力があっただろう。

 そして、煉獄さんを語るには欠かせない「心の強さ」。彼の死に際に母が立っており、彼女に「俺はちゃんとやれただろうか。やるべきこと、果たすべきこと、全うできましたか?」と問うていることから、幼少期にかけられた「弱き人を助けることは、強く生まれた者の責務」という言葉が、煉獄さんの生き様の“核”になっていたのは間違いない。その言葉があったからこそ、死の恐怖に襲われながらも「鬼にならない」という固い決意を見せた煉獄さん。まさに心の強さを発揮した場面ではないだろうか。

 この心の強さは、戦いを見ていた炭治郎や伊之助に間違いなく届いただろう。「無限列車編」から続く「遊郭編」では、この心の強さを抱きながら、新たな鬼に挑んでいく姿が描かれる。

※煉獄杏寿郎の「煉」は「火」に「東」が正式表記。

■放送情報
TVアニメ『鬼滅の刃』遊郭編
フジテレビ系にて、12月5日(日)スタート 毎週日曜23:15~23:45放送
※初回は1時間スペシャル
キャスト:花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、小西克幸、沢城みゆき
オープニングテーマ: Aimer「残響散歌」
エンディングテーマ: Aimer「朝が来る」

原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン:松島晃
アニメーション制作:ufotable
(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kimetsu

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