『アバランチ』で“あざとかわいい”イメージを覆す重厚な演技を披露 千葉雄大の唯一無二さ

『アバランチ』で好演、千葉雄大の唯一無二さ

 2010年に『天装戦隊ゴセイジャー』で俳優デビューを果たしてから11年、その愛らしいルックスで変わらぬ人気を誇る千葉雄大。昨年「あざとかわいいと思う俳優ランキング」(参考:「あざとかわいい」イケメン俳優ランキングTOP20|ランキングー!)でも1位を獲得した千葉だが、現在出演中のドラマ『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系)では、多くの人が彼に持つ“あざとかわいい”イメージを覆す重厚な演技で注目を浴びている。

 本作は、綾野剛演じる主人公・羽生誠一が所属する謎のアウトロー軍団「アバランチ」の活躍を描いた、劇場型ピカレスク・エンターテインメント。アバランチは政治家や官僚、大企業など、富と権力を持つ“社会的強者”に、独自の捜査や追跡を通じて報復を行う。綾野のほか、木村佳乃、福士蒼汰、高橋メアリージュン、田中要次がアバランチの構成メンバーを演じることが先に発表され、“謎の6人目”として直前までベールに包まれていたのが、千葉演じる天才ハッカー・牧原大志だ。

 『ヤクザと家族 The Family』や『新聞記者』などで知られる藤井道人がチーフ演出を務める本作は、ダークでミステリアスな雰囲気を漂わせている。“雪崩”を意味するアバランチは何を目指している組織なのか、また所属するメンバーはなぜ危険を冒してまで強者に立ち向かうのか。初回の放送から重苦しい空気が流れる本作の中で、牧原の存在は特に異彩を放っていた。なぜなら千葉の代名詞である、あざとかわいさは顕在だったからだ。

 いかにもアウトローなメンバーが揃うアバランチの拠点で、軽やかにパソコンをタイピングし、木村演じるアバランチのリーダー・山守に必要な情報を提供する牧原。不穏なワードが並ぶ会議でもまるで緊張感はなく、常に微笑みを携えている。当初はあまりにもアウトローという言葉と彼の佇まいに乖離があったが、続く第2話でそんな牧原がアバランチで活動する理由が明らかに。

 牧原は半年前に転落死した、発展途上国の支援を行う国際援助機構の社員・夏川洋子(中島亜梨沙)の弟だったのだ。警察は彼女の死を自殺と処理したが、不可解な点も多く、志半ばで命を奪われた姉の無念を晴らすために牧原はアバランチに籍を置いていた。感情を抑えられず、捜査中に声を荒げる場面や目に涙を溜めながらメンバーに真実を話す姿が視聴者の心を討ったが、特に注目されたのは、大物政治家のペーパーカンパニーに予算の一部を流した上司に怒りを露わにするシーン。怒りで震えながら敵に制裁を加え、安堵した様子で空を仰ぎながら涙を流す演技は圧巻だった。

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