『のほほん』との相乗効果で阿佐ヶ谷姉妹がアツい “小さすぎて伝わりにくい何とか”を披露

『のほほん』阿佐ヶ谷姉妹の快進撃

 よるドラ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(NHK総合)のスタートに後押しされる形で、阿佐ヶ谷姉妹自体のメディア露出も増加している。11月6日の『マツコ会議』(日本テレビ系)に続いて、11月20日にはグルメトークバラエティ『人生最高レストラン』(TBS系)に出演。30分番組で2回も泣く姉・江里子の姿に思わず笑ってしまった。注目は「日本テレビ」に「TBS」と決して『のほほんふたり暮らし』の番宣ではないこと。とは言いつつもその話題性からドラマに触れないわけにはいかないわけで、かなり異例の再ブレイクとも言える自体となっている。

 そんな中放送された第3話「白湯を飲んで生きていきます」では、阿佐ヶ谷にエリコ(木村多江)の母(松金よね子)がやってくる。「誰かいい人見つけるとか、仕事で一人前になるとかして、お母さんたちを安心させてちょうだいよ」という一言に、エリコはプレッシャーを感じてしまうのだった。

 第3話で描かれるのは、ネタ作りの生みの苦しみ。「小さすぎて伝わりにくい何とか」(「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」)に出演し、阿佐ヶ谷姉妹としてお笑い好きには徐々に認知され始めたエリコとミホ(安藤玉恵)。しかし、「『トルコ行進曲』を心地よさそうに歌う由紀さおり 安田祥子姉妹」の次のネタを考えられず、オーディションに行っても通知前に不合格だと分かるほどに2人はスランプに陥っていた。

 藁にもすがる思いで掴んだテレビ出演は、阿佐ヶ谷北口ケーブルテレビ。もちろん仕事が入ることは嬉しいが、観ているのは阿佐ヶ谷の人たちだけだ。喜ぶにも喜びきれず、エリコは両親に報告できず。始めから懐疑的であったミホはオンエアに見向きもしなかった。

 そんな折、Yorker-doにいるエリコのスマホがブルって、ミホのいるSAY YOUへ(実際に阿佐ヶ谷姉妹は、江里子はイトーヨーカドー派、美穂はSEIYU派である)。地下の食品売り場で待っていたミホは、試食売り場でウインナーを販売するおばさんに目をつけたのだった。その販売員は客の目を盗んでは一つ、二つとウインナーをつまみ食い。「普通っぽく見えて普通じゃない」ーー2人がよく言われていたその言葉は、日常にも転がっていたのだ。新たな歌ネタにこだわっていたエリコに対して、ミホは新しい切り口を探していた。それが有名人ではなく日常のあるあるだった。

 おばさんってなぜかティッシュにお金を包む。別れ際なかなか手を離さないおばさん。視点を変えると次々と発見するネタの数々。ネタができなくて泣いていた2人だったが、今はどれを降ろそうか悩んでいる。再び掴んだ「小さすぎて」のステージで、新ネタとして披露したのは「笑顔が信用できない人」。エリコが夢で見たシチュエーションを活かした、訪問保険のネタ。まだ全ての人に理解されるお笑いではないかもしれないが、局地的な熱は生み出していた。ここから阿佐ヶ谷姉妹のさらなる快進撃が始まる。

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