「あの女に勝ちたい」木村多江のドス声響く 『後妻業』小夜子と朋美の立場が逆転
遺産相続目当てで資産家の老人を狙った結婚詐欺”後妻業”。そんな後妻業のエースで、オトコをたぶらかす天才・武内小夜子(木村佳乃)を主人公に描いたドラマ『後妻業』(カンテレ・フジテレビ系)の第6話が2月26日に放送された。
次のターゲットとして狙う笹島(麿赤兒)に「遺産をうちに残してほしい」とプロポーズした小夜子。一方、夫の司郎(長谷川朝晴)の浮気にショックを受けた朋美(木村多江)は、感情が高ぶり、本多(伊原剛志)と一晩をともにしてしまった。朋美の浮気現場を捕らえた写真を手にした柏木(高橋克典)は、本多の弱みを握ったとほくそ笑んでいる。そんな中、小夜子を追う本多が撮影した写真により、朋美は自分のクライアントである笹島が小夜子の次のターゲットであることを知る。
第6話では、朋美の激しく揺れ動く感情が伝わってくる回となった。夫の浮気、本多と関係をもってしまったこと、小夜子が次のターゲットに狙いを定めて行動を始めていること、さまざまな事象が朋美の心を苦しめていく。しかしドラマ終盤では、朋美はドスの効いた声でつぶやく。「あの女に勝ちたい」と。
本多と関係をもってしまった翌朝、「ごめんな」とつぶやく本多に「なかったことにしましょう」と互いの気持ちを抑えることを提案する朋美。しかしその直後に見せた朋美の顔はどこか寂しげだった。後日、本多に呼び出された朋美は、小夜子が笹島に狙いを定めていることを知る。怒りややるせなさに打ちひしがれる朋美の手に本多はそっと触れるのだが、本多は朋美と関係をもった日のときのように「ごめんな」とつぶやくとその手を離す。離されたその手を、ほんの少し名残惜しそうに目で追い、空を掴んだ朋美の手が印象に残る。夫に浮気され、感情の高ぶりから自身も不倫をしてしまった朋美。しかし彼女の心に残るわだかまりやむなしさが埋まったわけではない。木村は微妙な目の動きや手つきだけで、朋美の心を覆っている苦しみを表現しているようだ。