『恋慕』フィの運命が大きく変わり始めた第11話&第12話 世子の廃位が決定し流れる涙
第11話ではフィの世子の廃位が訴えられ、第12話で「世子を廃位する」と王が決断を下した。フィが花靴を履いて歩いている所を見ていた王もまた、フィが女であることを知っていたと告白する。「私が生まれた日に戻れるなら同じ選択をしましたか」と涙を流し問いかけるフィに王は「王宮を去って己の人生を生きよ」と言い放った。ここで圧巻だったのは、王が今にも溢れ出しそうな涙をフィの前で一滴も流さなかったこと。流れない涙にこんなに泣かされるとは予想外だ。「私は己の人生を生きたことがありません」とフィが去った後、はじめて一筋の涙を流したのだった。
さて、廃世子の噂を聞きつけたジウンが王宮に戻って来た。二人の思い出の場所である緑雲閣(ノウンガク)に入っていくフィを追いかけ抱きしめるジウンは、二度とフィを独りにしないことを誓う。変わっていないジウンに安心しながら、温陽で一緒に暮らそうという誘いをはっきりと断るフィ。これまでは運命に従っていたように見えたフィだが、ジウンに幸せになってほしいと優しく手を解いたのは、フィの強い意思であることが感じられた。
フィが王宮を発つ日、王は会おうとはしなかった。その代わり、フィの秘密を知る内禁衛将ユンにフィを守るよう命じる。王宮を後にし、フィが通る道にある木々に赤い布が巻かれていた。フィの好きな花に見立てた贈りものだと気づいたフィは、あちこちに結んでいるジウンの姿に頬を緩め、自らの腕に赤い布を巻いた。そこで突然、フィが刺客に連れ去られてしまう。ギジェがフィを王宮に連れ戻すことを知っていた王は、内禁衛将ユンらにフィを連れて逃げるよう指示していのだ。内禁衛将ユンに事の経緯を聞いたフィは、王がフィのために用意した女人服と文を渡される。そこには、廃世子を下しフィを王宮から追い出したのも、一線を引いていたのもすべてはフィを守るためであったこと。フィは懸念していたよりもずっと強く、王にするにからはギジェから守るために領議政の勢力を伸ばしていたものの、それでも辛く苦しい選択だったこと。最後に「二度と同じ後悔をしたくはない。そなたは世子でありたった一人の娘であった」とフィからの質問の答えが、王ではなく父親として書かれていた。ここにきて父王の愛が描かれ、王の存在はこれからのフィの心の救いになっていくことだろう。
一方、ギジェの部下チョン・ソクチョ(ペ・スビン)は、消えたフィを探すため船に乗り込む人たちを調べていた。女人の格好をしてることに気づかれたフィは、兵士に顔を隠していた上衣を剥がされそうになった間一髪のところでジウンに助けられる。ジウンはフィの危機には必ず現れる男なのだ。フィに幸せになってほしいと言われ何も言えなかったジウンだが、フィを守れることが嬉しそうである。ここのところフィはあまりにも悲しみの涙を流しすぎた。やはりジウンが近くにいてフィを笑顔にしてほしい、それが彼の幸せなのだから。船は江華に到着し、フィはジウンに自分の秘密を打ち明けようとするが、ソクチョに見つかってしまう。兵士の打った矢で腕を負傷したフィだが、何とか逃げ切ることができた。ジウンが傷の手当てをしようとすると、上着を脱いでさらしを巻いた姿を曝け出したフィは「これが私の秘密です」と明かす。
フィが廃世子になった裏には、父王をはじめ多くの味方が動いていることがわかった。しかし、ギジュがこのまま黙っているわけはない。エメラルドグリーンの陶器に入っていた廃のような粉の正体も気になるところだ。いずれにせよ、切り札を持っているに違いない。
■配信情報
『恋慕』
Netflixにて独占配信中
出演:パク・ウンビン、キム・ロウン、ナム・ユンス、チェ・ビョンチャン、ペ・ユンギョン、チョン・チェヨン
原作:漫画『恋慕』イ・ソヨン作
演出:ソン・ヒョンウク、イ・ヒョンソク
脚本 :ハン・ヒジョン
製作:モンスターユニオン、イヤギサニャンクン
写真はKBS公式サイトより