ロマンス時代劇『恋慕』も折り返し地点に 前半の人間模様から占う“恋の行方”

『恋慕』前半を振り返る

 現在Netflixで配信中のロマンス時代劇ドラマ『恋慕』は第10話を迎え、いよいよ折り返し地点となった。物語は、王族の後継者に男女の双生児が生まれ、女児を始末するよう王命を受けた産みの親である世子嬪(ハン・チェア)が、女児は死亡したと装って山寺に送り別の人生を歩ませることから始まる。その女児はタミ(チェ・ミョンビン)という名で育つが、数年たったある日、瓜二つの双子の兄イ・フィ(チェ・ミョンビン)と偶然出会ったことから、タミが生きていることを世子嬪の父ハン・ギジェ(ユン・ジェムン)に知られてしまう。ギジュは部下にタミを始末するよう指示するが、殺されたのは双子の兄イ・フィであった。そこから、タミは亡くなった双子の兄の代わりに王世子イ・フィとして生きるために怒涛の人生を歩んでいく。

 ヒロインが男装して生きるロマンス時代劇ドラマは『トキメキ☆成均館スキャンダル』(2010年)や『雲が描いた月明かり』(2016年)を思わせ、決して斬新なストーリー設定ではないが、本作が人気を呼んでいるのはキャスト陣の力だろう。本作の主要キャストといえば、アイドル出身の俳優が目立つ。世子の師匠チョン・ジウン役を演じるキム・ロウンはSF9のメンバー、王世子の護衛キム・ガオン役のチェ・ビョンチャンはVICTONのメンバー、世子に恋に落ちたノ・ハギョン役のチョン・チェヨンはDIAのメンバーだ。演技力もさることながら、残酷な時代背景にフレッシュな彼らの存在感が作品を見やすくさせている。第1話、第2話はタミとイ・フィの一人二役を務めたチェ・ミョンビンをはじめとした子役らの好演で、淡い初恋や辛く悲しい過去を、第3話で大人になったイ・フィ(パク・ウンビン)にバトンが渡された。

 さて、気になるのは恋の行末だ。初恋同士だったタミとジウンは、10年後、王世子フィと世子の師匠のチョン司書という形で再会する。フィは込み上げる思いをぐっと飲み込むが、ジウンはタミが王世子であることは知らず、フィに恋心を抱いてしまう。フィに対する気持ちに気づいてからはラブコメ要素が加わり、本心を一切表に出さず誰も寄せつけないフィに笑顔が見られるようになってから、視聴者も笑みを溢すことが増えただろう。だからといって、“結ばれることのない恋”であることは変わりなく、思いが通じたところで二人の関係は前に進むことはない切なさは付きまとう。

 しかもフィを慕っているのは、ジウンだけではない。幼い頃から実の兄弟のように育った従兄イ・ヒョン(ナム・ユンス)は、「道がわからなくなったら、私が道を教えましょう」とフィの味方であり力になってくれる存在。フィが女性である秘密を知りながら、手を触れない優しさで彼女を守ってきた。そして第10話ではフィが妃を迎えることになり、相手に選んだのは史書判書の一人娘シン・ソウン(ペ・ユンギョン)。しかしながら、ソンウはジウンに思いを寄せており、フィからの求婚を断わってしまう。これまではフィとジウンの関係が中心に描かれてきたが、これからはこの四角関係が動いていくだろう。



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