入江悠『聖地X』がホラーに吹かせる新風 アリ・アスター、ジョーダン・ピールとも共振?

入江悠『聖地X』がホラーに吹かせる新風

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、韓国が懐かしい島田が『聖地X』をプッシュします。

『聖地X』

 広瀬すず×櫻井翔W主演ドラマ『ネメシス』(日本テレビ系)に、大作『AI崩壊』など着実に日本のインディーズ映画界からスケールを広げてきた入江悠監督の最新作は、前川知大が主宰するイキウメの人気舞台『聖地X』の映画化作品に。「恐怖の村」シリーズのプロデュースチームが企画に携わるなど今回はホラー映画的なエッセンスも入れるなど、さらにその作品ジャンルの幅を拡大しています。

 兄妹である輝夫(岡田将生)と東要(川口春奈)が知らず知らずのうちに巨木と井戸が目印の“聖地X”に足を踏み入れたことから、次々と奇妙な現象に襲われていく……というのが本作のあらすじ。あらすじだけ読むと比較的古典的Jホラーにも見えますが、そこは流石の入江監督。実際に作品を観ると一筋縄ではいかない奇妙な仕掛けがそこかしこに組み込まれています。

 キャストも岡田将生、川口春奈、渋川清彦、真木よう子、緒形直人など豪華なメンバーが集結。特に岡田さんは『ドライブ・マイ・カー』での独特の存在感も話題になりましたが、本作でもなかなか掴みどころのないキャラクター。今、現在唯一無二の俳優になろうとしている存在ではないでしょうか。

 さらにオールロケを韓国で敢行……と豪華な作りの本作ですが、そんな中でも自身のスタイル・好きなものからブレずに独自の空気感を維持し続けているのが魅力的に映ります。ホラー作品的スタイルではありますが、わかりやすい悪霊や呪いといったモチーフに頼るのではなく、映画だからこそできる脚本やショットの空気感で不穏さを演出するなどどこか煙に巻くような作風に。“わかりやすさ”を敢えて重視しない姿勢に好感を覚えます。



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