『SUPER RICH』恋に急展開! 空と優が衛に向けたふたつの優しさ

『すぱっち』空と優、ふたつの優しさ

 恋の急展開にジェットコースター・ストーリーの真髄を見る。『SUPER RICH』(フジテレビ系)第6話では優の気持ちをかわしたかと思っていた衛(江口のりこ)が自身の本当の気持ちに気づくことに。肝心の優(赤楚衛二)は、空(町田啓太)に借金をしている状態の自分の人生にケジメをつけるために大きな決断をした。空と優が衛に向けたふたつの優しさが暖かく光る回となった。

 三日月モバイルを口説き落とすには、社長ではなく専務の大河(田山涼成)を説得する必要があった。しかし大河はパーティーで会った時から一貫して衛に対する失礼な態度を変えない。見かねた優は、大河がこっそり出入りする違法カジノに乗り込むと自分の身体を賭けて勝負に挑み、「大河が負けたら衛に謝れ」と要求するのだった。無事に勝った優は、衛の“心”を守ることに成功。そして衛もまた、自分が優に抱いている感情が「人間の中で一番好き」なのだと気づく。こうして両思いになったふたりだが、衛はこの先の優との関係を変えることまでは考えていなかった。そこで優は、空への借金を返し終えたら結婚しようと提案をするのであった。

 空は、真っ直ぐな優の行動が徐々に衛の心を時ほぐし、支えになっていることに気づいてしまう。衛本人よりも先に、その気持ちの変化を知った空はそっと身を引くことを決意するのだった。この決断は、衛を全力で愛してきたからこそできる行動だろう。自分の愛する相手が好きな人を想うことさえ、大きく包み込む。この果てしないほどの愛は、これまでに空がスリースターブックスに、そして衛に対して誓ってきた忠誠心の最たるかたちだ。そんな空の苦しくも愛しい感情を、町田は切なさをたたえるうるんだ瞳で熱演。決意が滲む中で、どこか清々しさも感じさせる町田の表情や一言ずつ絞り出すその声色からは、空がどんな意味を込めて衛から身をひいたのかが、言葉以上に雄弁に語られた。空が衛に向けたのは「愛を後押しする」優しさだった。

 そして優が向けた優しさは、「愛を握らせる」優しさだ。裕福だが、孤独に生きてきた衛。信頼していた一ノ瀬(戸次重幸)にさえ裏切られてしまった衛は、時々愛を手放そうとする。それは、誰かから愛されることで、自分の生活や気持ちに揺らぎが生まれることを拒んでいるようにさえ見えた。祖母の葬式に参列し、しきりに「悲しくない」ということを強調する姿や、有事に自分一人で淡々と対応してしまう強さは、これまで衛が自分のことを自分で解決して生きてきたたくましさを感じさせる。



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