『カムカムエヴリバディ』は兄・松村北斗、弟・村上虹郎のキャスティングが大正解

松村北斗×村上虹郎のキャスティングの妙

 第10話では、兄・稔の存在が大きく、自分が兄に勝てるのは野球だけだと甲子園を目指していた勇(村上虹郎)の切ない心境にスポットが当たり、SNSでも大きな反響があった。長男と次男の役割、家を継ぐということ、そして色濃くなる戦争の影……。安子と稔が聴いていた『基礎英語講座』がラジオから消え、夏の甲子園大会は中止となってしまう。

 小学校の頃から勇が安子を好きなことは、安子の親友・きぬしか気づいていなかった。長男である稔が家族の期待を一身に背負い、兄を尊敬しつつ、自分には野球しか兄に勝てるものはないと打ち込んできた勇。夏祭りで嫉妬から安子に「兄さんは、いずれ雉真の社長になる人じゃあ。あんころ屋の女なんか釣り合うもんか」と言い放ちつつ、反省して兄が大阪に戻る日を安子に伝えるなど、まっすぐなところが似ている兄と弟なのだ。

 兄と弟でキャッチボールをして、勇は稔に「わし、今年が最後の夏なんじゃ。諦めん。甲子園も……あんこも」とお互いに安子を諦めるつもりがないことを確認し合っている。

 素朴な安子をめぐる、まっすぐで誠実な兄と弟の三角関係が今後どうなっていくのか。さらに過酷な状況を迎えるのが分かるからこそ、祈るように見守るしかない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる