生田斗真が金髪姿で大暴れ 『土竜の唄 香港狂騒曲』は任侠ものと一線画したエンタメ作に

 任務と任侠の板挟みになった玲二が、絶体絶命の状況で見せる男気に胸を震わせた第1作に対して、2016年公開の第2作『香港狂騒曲』はよりエンタメ志向で、スリルと笑いのツボを押しまくる。ネタバレを避けつつ例を挙げると、前作の番宣でも使われた、全裸の玲二が自動車のボンネットにくくり付けられて疾走するシーンに匹敵するインパクトのあるカットが次々と現れる。役者陣では菜々緒や古田新太、永山瑛太の新キャラクターが玲二の前に立ちはだかる。兄弟分の“クレイジーパピヨン”日浦を演じる堤真一や、ヒロイン純奈役の仲里依紗など常連組も健在。吹越満、遠藤憲一、皆川猿時演じるおっさんトリオも良い味を出している。

 そんな中、主人公・玲二役の生田の振り切り具合は前作以上で、意気込みのほどがうかがえる。舞台を国外に移して解放されたのか、大勢を相手に日浦たちと大乱闘を繰り広げるシーンは壮観の一言。生田の受けの演技はアクション以外も際立っており、襲いかかる無理難題をあの手この手で切り抜ける姿は必見だ。敵のふところに潜入する際には、これまでにない一面も見せてくれる。

 観終わって理屈抜きにスカっとするのは、全力で楽しませようとする作り手の意思が作品の隅々まで感じられるからだろう。前作でハマった人はもちろん、未見の方も事前知識なしで楽しめるので気軽にチャンネルを合わせてほしい。口あんぐりで大笑いできること請け合いだ。

■放送情報
『土竜の唄 香港狂騒曲』
フジテレビ系にて、11月13日(土)21:00〜放送
原作:高橋のぼる『土竜の唄』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
監督:三池崇史
脚本:宮藤官九郎
音楽:遠藤浩二
出演:生田斗真、瑛太、本田翼、古田新太、菜々緒、上地雄輔、仲里依紗、堤真一
製作:フジテレビジョン 
制作プロダクション:OLM 
制作協力:楽映舎
配給:東宝
(c)2016 フジテレビジョン 小学館 ジェイ・ストーム 東宝 OLM
(c)高橋のぼる・小学館

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる