『恋です!』今引っ張りだこの田辺桃子の好演光る ついにユキコ&森生の初キスも

『恋です!』今引っ張りだこの田辺桃子の好演

 『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系/以下、『恋です!』)が描いてきたのは、優しい世界だけではない。“分からない”からこそ、他者を傷つけてしまうこともある。この世の中には、人の苦しみに寄り添える人ばかりではないのかもしれない。

 ユキコ(杉咲花)も、これまでさまざまな“悪意”と対峙してきた。歩いているだけで、白杖を蹴飛ばされたり、「本当に見えないのか?」と難癖をつけられたり。本作の温かさが胸に沁みるのは、そんな“現実”にしっかり向き合っているからだろう。“悪意”を描くからこそ、森生(杉野遥亮)や花男(戸塚純貴)、桃井(堀夏喜)らの“優しさ”が浮き彫りになるのだ。

 11月10日放送の第6話は、ユキコの親友・空(田辺桃子)に向けられた姑息な“悪意”により、彼女が抱えてきた見えないことへの葛藤、そして周囲の優しさが浮かび上がった。

 走るのが得意な空は、盲学校のマラソン大会で優勝するべく、練習に励んでいた。しかし、彼女が走るルートにわざと障害物を置く人物が。森生は必死でその犯人を見つけようとするが、空は「黒ヒョウ(森生)には、頼りたくない。黒ヒョウも見える人じゃん。見える奴なんて大嫌い!」と突き放してしまう。震え混じりで話す「見えるからって、見えない人を馬鹿にして優越感に浸ってる奴はいっぱいいる」という言葉からは、これまで彼女が味わってきた苦しみが伝わってくる。

 空は、いつも元気な女の子だと思っていた。初めての店に入る時には、「レジどこですか?」と大声で聞くことができるし、常に堂々としている。でも、奮い立たせてでも明るくしていないと、自分を保つことができなかったのかもしれない。人の親切心を、「見えないから、可哀想だから助けてやろうと思ってるんでしょ?」と言い切ってしまうほど、空の心は傷ついていたのだ。

 ユキコは、「見えない人」と「見える人」を切り離して考える空に、優しく寄り添った。とんこつラーメンの匂いや、ピアノの音色。見えても見えなくても、同じものを好きになることができる。走る練習を一緒にしていくうちに、森生と空の間にあった隔たりもなくなっていくーー。

 そんな時、障害物を置いた人物が判明する。犯人は、空の元恋人・拓巳。振られた腹いせで行ったことだった。「できる限りのことをしてあげたよね?」「君の目の代わりになろうとして、頑張ったじゃん」と言う拓巳には、空に寄り添おうという気持ちが感じられない。

 ただ、空が別れを切り出したのは、拓巳がいつも「すみません」と謝っている声を聞くのが辛かったから。拓巳が謝るたびに、空の心は劣等感でいっぱいになってしまったのだ。他者の善意に触れた時には、森生のように「ありがとう」と返せる素直な人間になりたいと思わされる。



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