『言霊荘』第1章完結も不幸の連鎖はコトハが原因? 斉藤由貴の狂乱の演技も

西野七瀬主演『言霊荘』第1章完結

 『言霊荘』(テレビ朝日系)が第5話で第1章完結を迎えた。「第1章完結」という謳い文句は、その分視聴者の期待を煽る諸刃の剣でもあるが、上りきったハードルをきちんと超えてくる恐怖が第5話には蠢いていた。

 クライマックスとなったのは、トシマ(斉藤由貴)の除霊によってアパートに取り憑く呪縛霊がはっきりとコトハ(西野七瀬)たちの前に現れたシーンだ。その姿は頭から布を覆い被さる女。第1話から瞬間的にインサートされてきたそのシルエットだ。

 飛んできた布はトシマの顔に覆いかぶさり、トシマが呪縛霊に取り憑かれるという超展開へ。第5話では麻美(森田望智)への嫉妬に狂う早紀(石井杏奈)も印象的であるが、それを上回っていくのが狂乱する斉藤由貴の演技である。トシマに取り憑いた呪縛霊がコトハを抱きしめ囁くのが「全部あなたのせい」という言葉。霊はコトハによって解き放たれ、アパートの住民が不幸の連鎖に巻き込まれているのもコトハが原因にあるというのだ。

 その後、レイシ(永山絢斗)の助けもあり、トシマは霊を振りほどき弓で除霊。だが、コトハには「全部あなたのせい」という言葉とともに、親友である紗香(三吉彩花)を自分のせいで亡くしてしまったのではないかという自責の念が生まれ始めていた。

 また注目はずっと不在だった管理人室の扉が開き、女の霊が現れたことだ。一貫してインサートされ続けている浴槽に潜む何かは、0号室の中なのであろう。コトハとレイシが部屋を探索するシーンはこの『言霊荘』の定番とも言えるが、謎を解く手がかりは管理人室に眠っていることは明らかだろう。

 第5話では麻美が思いを寄せる鈴木大輔(竹財輝之助)の現在の彼女が早紀という驚きの展開もあった。つまり、ここまで第1話では1号室の紗香、第2話では2号室の栞(中村ゆりか)というように順繰り登場人物がフィーチャーされてきたわけだ。通常であれば第6話では6号室の瞳(内田理央)がメインとなるのだが、ここで『言霊荘』は変則的な物語構成となってくる。

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