上白石萌音は朝ドラ主演にふさわしい ナチュラルな芝居からみえる技量

上白石萌音、ナチュラルな芝居の魅力

 待ちに待ったとはこのことだろう。11月1日からスタートする連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)の初代ヒロインは上白石萌音。ドラマや映画、舞台のほか、歌手として活躍する上白石は、今作が初の朝ドラ出演となる。100年にわたるファミリーヒストリーを描く本作で、上白石は3代にわたるヒロインのトップバッターで和菓子屋の娘・橘安子を演じる。ラジオ放送が開始された1925年3月22日生まれの安子は、ラジオ講座を通じて英会話と出会う設定だ。

 ラジオドラマにルーツを持つ朝ドラのヒロインは朝の顔だ。それは通算105作目の『カムカムエヴリバディ』でも変わらない。出かける前あるいは家族を送り出した後、1日のはじまりに彼女たちから元気をもらっている人は日本中で数えきれない。看板娘役の上白石もとびっきりの笑顔で出迎える。100点満点のスマイルが朝ドラの主役にふさわしいことは言うまでもない。

 13歳で芸能界入りした上白石は大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』(NHK総合)最終話でドラマデビュー。2014年に公開された周防正行監督作『舞妓はレディ』でオーディションを勝ち抜いて主人公の春子を演じ、その存在を知らしめた。上白石の名前が浸透したのは2016年公開の新海誠監督作『君の名は。』。興行収入250億円を超えた同作で主人公の一人、宮水三葉の声を演じ、同年に歌手デビューも果たした。

 映像作品では、映画『ちはやふる』、『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』など出演作を重ね、2020年1月期の『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)で主演を務めた。イケメン医師の“魔王”天堂(佐藤健)に上白石演じる新人看護師の“勇者”七瀬が挑む格差ラブストーリーは、視聴者の心をつかんで大きな反響を巻き起こした。また『恋はつづくよどこまでも』と同じ火曜ドラマ枠で放送された『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)でも、玉森裕太演じるカメラマン潤之介との恋愛模様が話題になった。

 上記の諸作では、舞妓になるため京都にやってきた少女、かるた取りに青春を燃やす高校生、仕事と恋に全力な等身大の女性を演じたが、この他にも『ホクサイと飯さえあれば』(MBS/TBS)の自炊生活をするおひとり女子、映画『スタートアップ・ガールズ』の一瞬のひらめきでアイデアを生むエキセントリックな起業家、『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)シリーズの頭脳明晰な元検事の弁護士、『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)のミステリアスな家出少女まで幅広く演じてきた。

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