ハリウッド進出の新田真剣佑 “ジャパニーズカルチャー”とともに世界でどう闘う?

新田真剣佑、世界でどう闘う?

 さて、そんな新田真剣佑。すでに述べたように、日本特有の人気カルチャーのハリウッドの実写化となると、どうにもハードルが上がってしまうもの。日本の映画市場とは比べものにならない製作費が投じられているのだろうが、それが良質な映画作品を生み出すことに繋がるわけではないというのは言わずもがなだ。特に原作ファンであればなおさら不安なのだろう。しかし、主演は新田真剣佑。この人選には、自然と作品への期待度が上がってくるものである。

 “人気マンガの実写化作品”に参加するということに関して言えば、新田は『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017年)で演じた虹村億泰役の健闘ぶりが原作ファンから高い支持を得たものだし、今年は『ブレイブ -群青戦記-』『るろうに剣心 最終章 The Final』でその力を示している。原作のキャラクターの持つ魅力を生かしながら、そこにオリジナリティーを加え、どの役をも自分のモノにしてきた。ここでいう“オリジナリティー”とはもちろん演技術のこと。新田流の発話法や身体の扱い方のことである。

 コミカルにもシリアスにも柔軟に適応してみせる新田だが、その根幹にある“新田真剣佑”という人間はいつも薄れていないように思う。作品ごとにまるで別人になっているというよりは、新田が演じるキャラクターの特性を自身の方へと引き寄せ、そして身につけている印象があるのだ。だからこそ、彼が何を演じようとも大きな安心感がある。逆に言えば、不安はない。日本においてはもうすでに、十分な功績を残してきているからだ。“世界水準”での闘いにおいても、間違いなく健闘することだろう。

■作品情報
『Knights of the Zodiac(原題)』
監督:トメック・バギンスキー
脚本:ジョッシュ・キャンベル&マット・スタッケン
出演:新田真剣佑、マディソン・アイズマン、ディエゴ・ティノコ、マーク・ダカスコス、ニック・スタール、ファムケ・ヤンセン
配給:東映

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