『最愛』携帯電話で削除された嵐の夜の一部始終 あの日訪れた「藤井さん」は誰?

『最愛』あの日訪れた「藤井さん」は誰?

 あの嵐の夜に何があったのか――。

 金曜ドラマ『最愛』(TBS系)では、第2話でさっそく大きな謎が一つ紐解かれた。

 梨央(吉高由里子)はたしかに第1話でこう言っていた。「優。携帯でお父さんのことよく撮っとったよな」と。それは、父・達雄(光石研)の遺影となる写真を探しているときの言葉だったが、弟・優(柊木陽太)が携帯電話のカメラで事件の真相を撮影していたという伏線だったとは……。

 なくしたと思われた優の携帯には、あの夜の真相が動画で録画されていた。康介(朝井大智)が薬で眠らせた梨央を、おそらく襲おうとしているタイミングで出くわした優。危険を察した優はとっさにペグを手にして身を守ろうとするも、その先端は携帯を奪おうとした康介の腹部に刺さってしまう。そのまま梨央の上に重なるようにして倒れ込んだ康介。梨央の服に大量の血がついていたのは、康介のもので間違いなかった。

 興奮すると記憶を失ってしまう優。そんな彼の置かれている特殊な状況を考えると、康介の事件は「もしかして?」と考えられる線ではあった。しかしだからこそ、その予想に対して早々に決着をつけ、さらなる謎を畳み掛けてくるところが『最愛』のにくいところ。見るに耐えない映像に梨央はとっさに削除ボタンを押してしまうが、動画はそこで本当に終わっていたのだろうか。倒れこんだまま意識を失ったと思われる康介。では、録画を停止したのは誰だったのか。

 ストレートに考えれば、おそらく康介の遺体を隠したと思われる達雄だ。実際、携帯電話も達雄の荷物の中から見つかっている。しかし、だからといってこの事件に関わっているのが優と達雄だけとも言いきれない。長身の康介を達雄ひとりで運び出し、あれだけの流血のあとを拭き上げ、康介が止血しようと掴んだ学旗を洗濯し、梨央を着替えさせて布団に眠らせ、15年も見つからないほど地中深くに埋めることが、果たして夜明けまでの数時間で可能だろうか。誰かが後に達雄の荷物の中に携帯電話を入れることだって十分可能だ。この事件を知る誰かが他にもいるのではないかと勘ぐりたくなってくる。

 そして、もみくちゃになった反動とはいえ、あのペグの一撃で康介は本当に絶命したのかもわからない。「骨だけやと死因は特定できない」とは大輝(松下洸平)同様に警察官になった陸上部の後輩・藤井隼人(岡山天音)の言葉だ。この「藤井」という名字の響きに、ひとつ気になっている場面がある。

 達雄が亡くなった日、まさに梨央が「優。携帯でお父さんのことよく撮っとったよな」と優に問いかけている場面で、玄関のチャイムが鳴ったのだ。祖母の恵(茅島成美)が「別の日にしてもらってもええかな?」と断ると「大変なときにすみませんでした」と答える声が。そのやりとりを聞いた梨央が「藤井さん?」と腰を上げるシーンがあった。

 その後、その「藤井さん」と梨央が顔を合わせたのかどうかはもちろん、そもそもどの「藤井さん」で、何のために訪問してきたのかも明されてはいない。このドラマにおいて無意味なシーンは1秒もないという信頼のもと、この「藤井さん」は誰なのだろうかという疑問が拭いきれないのだ。隼人が警察官になっていることから、もしかしたら隼人の父親で警察官という可能性も捨てきれない。康介の失踪について追っているのか、あるいは達雄の死について思う節があってのことなのか。



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