『最愛』第1話で示された5つの大きな謎 オリジナルの“イヤミス”的ラブストーリーに注目

『最愛』第1話で示された5つの大きな謎

 待ってましたと言いたくなった第1話。10月15日に始まった連続ドラマ『最愛』(TBS系)は、金曜ドラマの得意ジャンルであるラブストーリーと殺人ミステリーの掛け合わせで、魅力的なキャストの共演と美しく洗練された映像を楽しみつつ、予想できない展開に引き込まれる。久々に放送を観た後の考察タイムが楽しくなりそうだ。

 これまで『夜行観覧車』(2013年)、『Nのために』(2014年)、『リバース』(2017年)を作ってきた脚本家、プロデューサー、監督たちがまたしても組んだ本作。ただ、これまでの3作がイヤミス(バッドエンドでイヤな後味が残るミステリー)の第一人者である湊かなえの小説を基にしていたのに対し、今回はドラマオリジナル。つまり、この物語の結末を知っている視聴者は存在しない。今後の展開でヒロインが逮捕されるという、いかにもイヤミスのような予告場面が出てきたが、そのとおりバッドエンドになるのかどうかもわからないのだ。

 このドラマは2006年の岐阜と2021年の東京を舞台に、過去と現在が交錯しながら展開する。ヒロインの梨央(吉高由里子)は高校生時代、古い日本家屋が残る白川郷で父や幼い弟と共に暮していた。父は白山大学陸上競技部の学生寮を管理し、梨央は陸上部のアイドル的存在に。長距離走ランナーの大輝(松下洸平)とは相思相愛の仲で、梨央が大学に合格したら付き合うことになっていた。だが、父の代わりに寮で留守番をしていた日、梨央はある男子学生に襲われ、記憶を喪失。その学生は行方不明に。同時に父親も急死し、梨央は合格した東京の大学に行くかどうか悩むが、弟と離れ企業の経営者である実母の元に身を寄せることに。大輝とも音信不通になってしまう。そして、15年後、健康福祉系の会社の社長となった梨央と警視庁捜査一課の刑事となった大輝は再会する。

 キャストの井浦新が「まばたき厳禁」と言ったように、速い展開に細かいディテールを詰め込む制作チームだけに、第1話は繰り返し見れば見るほど、「実はこうだったんだ」という発見があるが、それでも解決しきれない謎はまだたくさん残っている。その中から大きな謎と思われる5つをピックアップしてみた。

1)警察連行シーンは、梨央が何をしたことを意味するのか?

 タイトルバックの後、大輝のモノローグが流れるシーンで、現在(2021年)の梨央は自分が社長を務める「真田ウェルネス」のエントランスから警察官に付き添われてパトカーに乗り込もうとしている。スカートは血で汚れ、その手にも血がついており、梨央は連行されることを覚悟した表情をしている。そして、「彼女の名前は真田梨央。その名が世間を騒がせる前の…」というモノローグ。どうやら、梨央は警察に逮捕、もしくは拘留されるようなのだが、誰かを傷つけたり殺したりしたのか? だとすれば血を出した人間は誰なのか。そして、この場面は結末とイコールなのだろうか?

2)康介を死なせたのは誰なのか?

 15年前、白山大学大学院薬学部2年生の渡辺康介(朝井大智)は、友人である陸上部員・長嶋(金井成大)を訪ねて陸上部の寮に入り込み、女子学生も引き入れて宴会をしていた。そのとき、梨央の飲むスープに何らかの薬物を入れて気を失わせたらしい。梨央はその後のことを憶えていなかったが、その夜に着ていた服は大量の血で汚れており、朝起きると、父の達雄(光石研)が疲れた様子で帰ってきて、直後にくも膜下出血で死亡してしまう。そして、康介が行方不明になっていることが判明。警察による捜索が行われたものの、彼は見つからず、そして、現在、山奥で白骨化死体となって見つかった。自殺とも他殺とも断定できないようだが、康介はどうやって死んだのだろうか。第1話の時点で考えられるのは、達雄が娘に乱暴しようとしていた康介を殺し、死体を山中に埋めたという線なのだが……。



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