仲野太賀、衝動に駆られて行動を起こした過去を振り返る 「強引にカンヌに行きました」
映画『ONODA 一万夜を越えて』の初日舞台挨拶が10月8日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、遠藤雄弥、津田寛治、仲野太賀、井之脇海、イッセー尾形が登壇した。
本作は、第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門のオープニング作品として上映された人間ドラマ。太平洋戦争の終戦を知らされないまま約30年間、ジャングルで任務を遂行し続けた小野田寛郎の壮絶で孤独な日々が描かれ、遠藤と津田が小野田の青年期と成年期をそれぞれ演じる。
客席を見渡した遠藤は、「この作品は本来、去年公開を目指して制作されていました。コロナという世の中の情勢もあり、今日、無事公開することができて胸がいっぱいです」と挨拶。津田は、カンボジアのジャングルでの撮影を「虫やサソリとの戦いと、エキセントリックで情熱的な監督の思いを具現化することに命を賭けて挑んだ」と回顧し、「見どころは若手俳優の格闘技のような演技の競演。あとは、太賀くんの目に注目してください」とメッセージ。仲野は「今までの戦争映画とひと味もふた味も違う強烈な映画体験ができる作品」とした上で、「僕の目にも、どうか注目して」と笑ってみせた。
戦争によって人生が大きく変化する小野田を引き合いに、「俳優という仕事をしていなかったら?」との質問が飛ぶと、遠藤は「俳優でなければ、間違いなくもう少し苦労のない人生だったんじゃないかな」と苦笑いするも、「俳優として苦労することや考えることが、人生の豊かさに繋がるのかなと」としみじみ。一方で、俳優でなければ「プロレスラーになっていた」といい、武藤敬司に憧れていた子ども時代を振り返りつつ、「アクションの芝居には活かされているのかな」と話した。
かたや津田は「漫画家」と打ち明け、「子どもの頃は、ずっと漫画を描いていました。友達に見せて「続きを読みたい」って言われたら、続きを描く。その時間が、今振り返っても人生の中で幸せな時間ベスト5に入る」とも。さらにイッセーは「宮大工」と即答し、「建物を建てることは、映画を作るに通じると思うんです。ちょっと強引ですかね?」と話して笑いを誘った。