亀梨和也、『正義の天秤』で際立つ目の演技 年齢とともに演技の幅はさらに拡大?

亀梨和也、『正義の天秤』で際立つ目の演技

 さて、亀梨はKAT-TUNとしてデビューする前からドラマに出演し、俳優経験を積んできた。『3年B組金八先生』第5シリーズ(TBS系)をはじめ、『ごくせん』第2シリーズ、『野ブタ。をプロデュース』(ともに日本テレビ系)での学生役から、『サプリ』(フジテレビ系)、『たったひとつの恋』(日本テレビ系)と恋愛ストーリーへ。2016年放送『怪盗 山猫』(日本テレビ系)では武士道にも通ずる信念を持った怪盗&探偵を、2018年『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)では、母を自殺に追い込んだ真相を突き止めるために自ら警察官となって奔走する中村慶介役を熱演。今年1月期放送の『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)では、元刑事の探偵・伏見響介を、時には繊細に、時にはド迫力のアクションを交えながら演じた。年齢を重ねるごとに大きなものを背負った役どころが増え、演技も細やかな表情をみせたり、アクション俳優とスピーディーなバトルを展開したりと、作品の数だけ演技の幅を広げ手数を増やしてきた。

 今作では特に目の動きが印象的だ。“表情豊かに”とはいかない役柄だけに、“目は口ほどに物を言う”がごとく、何かを訴えるときの強い眼差し、相手をじっと見つめてゆっくりと外す視線、わずかな下まぶたの動きを使って感情を表現している。

 芽依を演じる奈緒とは映画『事故物件 恐い間取り』で共演、元ニートの弁護士・杉村徹平役には事務所の後輩・Kis-My-Ft2の北山宏光、と亀梨の所縁のある俳優たちが脇を固める。杉村が事件の目撃者の証言を聞きに行った際に、「上にどなたかいらっしゃるんですか?」と言うシーンがあるが、つい先日まで北山主演ドラマ『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京系)では、北山は2階に秘密を隠していた役だっただけに、狙ったのか絶妙にリンクしていたのもユニークだ。

 さて、鷹野が佐伯からオファーを受けていたのにはもう一つ理由があると、教会の牧師・冨野静子(山口智子)が言いかけていたが、1話のラストシーンと深く結びついているのだろう。法廷では、冷静沈着にみえた鷹野も溢れる感情をおさえるようにして彼なりの“治療”をしていた。これから明かされるであろう鷹野の過去や、迎え撃つ大きな事件の全貌が気になる。

■放送情報
土曜ドラマ『正義の天秤』
NHK総合にて、毎週土曜21:00~21:49(連続5回)
出演:亀梨和也、奈緒、北山宏光、大政絢、佐戸井けん太、大島優子、萩原聖人、竹中直人、中村雅俊
原作:大門剛明
脚本:田辺満、田中眞一、井上季子
音楽:河野伸
制作統括:渋谷未来(ジ・アイコン)、真鍋斎(NHKエンタープライズ)、岡本幸江(NHK)
演出:片岡敬司、二宮崇
写真提供=NHK

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