『おかえりモネ』第3部・気仙沼編で新キャラ登場 百音はコミュニティFMのDJに?

『おかえりモネ』百音が気仙沼に帰ってきた

 百音(清原果耶)が汐見湯を離れる日がやってきた。見送るのは菜津(マイコ)や明日美(恒松祐里)たち。姿を見せない宇田川も音で合図し、自らが描いた絵を贈る。「ごめんね、これが精いっぱい。これでも私たちは前に進んでると思うの」。そう、進んでいる。着実にゆっくりと、良い方向へ。「そこにいてくれるだけでいいって、言ってくれる菜津さんに出会えてよかったです」と百音。東京の3年半で汐見湯は帰るべき場所になり、そこにいる人々は家族同然の存在になっていた。

 『おかえりモネ』(NHK総合)第97話。路線バスが橋を渡り、彩りを増した音楽と歩調を合わせるように物語も第3楽章に入る。玄関ではなく縁側から上がる描写は、ここが百音の“家”であることを意味し、出迎える人のいない静かな帰郷は、新たな日常の始まりを感じさせた。タイトルになった「おかえり、モネ」は亜哉子(鈴木京香)のセリフ。「帰ってきたね。これからだね」と祖母・雅代(竹下景子)も語りかける。頬をなでる海風が心地よい。島を出て5年半。百音は帰ってきた。

 さっそく動き出した百音は、2019年にオープンした気仙沼市の「海のまち市民プラザ」を訪問。気仙沼市の職員になった悠人(高田彪我)が市民プラザ内の「はまらいん課」に勤務しており、課長の遠藤(山寺宏一)に会いに来たのだ。ちなみに「はまらいんや」は「一緒にやりましょう」を意味する気仙沼地方の方言。百音は遠藤に「けあらし観光ツアー」を提案するが、「自治体がやることではないかもしれませんね」と言われてしまう。遠藤は百音に、変わり続ける町の様子を聞かせる。「あなたのように新しいことにチャレンジしてる若い人たちもいっぱいいて、実に頼もしい」。そんな若者の一人が学生ボランティアの水野一花(茅島みずき)。東京から来た一花は、まちづくりを勉強しているうちに気仙沼が気に入って居ついてしまったらしい。

 さまざまな取り組みをするはまらいん課は、コミュニティFM「はまらいん気仙沼」も運営。震災直後に、遠藤や漁業無線に詳しい小山(佃典彦)らが立ち上げた「はまらいん気仙沼」は、AIアナウンサーによる気象予報も発信していた。「私にやらせてもらえませんか?」。唐突な百音の申し出に、遠藤はラジオだとコサメちゃんたちが使えないと渋りながらもイルカの声真似で了承。こうして百音のお天気コーナーが始まった。

 静かな帰郷から一転して、ブラスバンドの演奏でにぎやかに幕を開けた第3部・気仙沼編。新たなキャラクターも登場し、どんなエピソードが繰り広げられるか楽しみだ。

※高田彪我の「高」はハシゴダカが正式表記。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる