『古見さん』が描く“フツー”とは何か 溝端淳平が体現した青春の一コマ
片居が去った物語後半では、新しい生徒会長を選出する選挙戦が本格化。生徒会の会長選挙に立候補する潔、その幼なじみの阿瀬志吹(筧美和子)が登場する。潔は極度の潔癖症、阿瀬は人一倍の汗っかき。校内で人気のある古見に阿瀬が応援演説を依頼するが、潔は彼女の人気を利用したくないと申し出を断ってしまう。
だが、内心では古見の人気を利用すればと思っている図々しい自分が大嫌いーー潔もまた片居や古見と同じ自己嫌悪に陥っていた。しかし、古見は机を綺麗に拭いてクラスの美化に努める、潔の姿を知っていた。そんな潔の応援演説を自ら買って出たい。2人は友達のしるしに握手を交わす。潔癖の潔から手を差し出すことは、それほど心を許したという証拠。また、この握手は前半で只野と古見が手を繋ぐシーンとリンクしている。
また、第4話から古見のノートの字が字幕として大きく映し出されるようになった。確かに、シーンによっては光の加減や距離によって、文字が読みづらい場面もあったことは事実。SNSや公式サイトにある掲示板の声を受けて、改善されたのかもしれない。
折り返しとなる第5話では、生徒会選挙立候補者の演説会がスタート。古見はチア姿で応援に励むものの、潔は古見の人気を利用する格好になることがどうしても許せなかった。
■放送情報
『古見さんは、コミュ症です。』
NHK総合にて、毎週月曜22:45〜23:15放送(全8回)
出演:増田貴久、池田エライザ、吉川愛、ゆうたろう、溝端淳平ほか
原作:オダトモヒト
脚本:水橋文美江
音楽:瀬川英史
主題歌:aiko
制作統括:樋口俊一(NHK)、高城朝子(テレビマンユニオン)
プロデューサー:大沼宏行(テレビマンユニオン)
演出 :岡下慶仁(テレビマンユニオン)、石井永二(テレビマンユニオン)
総合演出:瑠東東一郎(メディアプルポ)
写真提供=NHK