Netflixでドキュメンタリーも配信 現在のブリトニー・スピアーズを取り巻く問題とは
審問で語られた後見人制度の実態
2008年9月にはMTV Video Music Awardで3冠を達成し、シングル『ウーマナイザー』も大ヒットするなど、ブリトニーは完全復帰を遂げたと思われた。その後もラスベガスでの定期公演やワールドツアーも実施し、成功を収めている。しかしその一部は、後見人制度のもとで強制されたものであったことが6月の審問で彼女自身の口から語られた。そのほかにも、彼女はこの“虐待に近い”後見人制度のもとで、プライバシーもなく、強制的に働かされ、自らの人生を他人にコントロールされた状態であることを証言している。その1つが避妊リングの着用だ。彼女は結婚や出産をすることを許されず、リングを外すために病院に行くこともできないという。女性が自分の身体に関する決定権を持つことは、近年活発になっている議論の1つだ。彼女のこの状況は、多くの証言のなかでも特に世間の注目を集めた。ブリトニーはこの審問で、彼女が正気であることを認め、公の場で語る機会を与えてくれるよう嘆願している。そして「自分からなにも語らずに、彼らが私にしたことを世間に知らせたくありません」と付け加えた。
父ジェイミーが後見人を辞任へ、そして恋人との婚約
この審問を受けて、彼女の父ジェイミーは9月初頭に後見人を辞任する嘆願書を裁判所に提出した。彼の代理人が書いたその嘆願書には、「ミズ・スピアーズが後見人制度を終わらせ、自分の人生に対処できると信じているなら、ミスター・スピアーズ自身も彼女にそのチャンスが与えられるべきだと考えています」と書かれている。しかし同時に、彼はブリトニーに裁判費用を含む200万ドル(約2億円)を要求しているとも報じられた。こうして後見人制度が終わる見通しが立ったためか、ブリトニーは9月13日に自身のInstagramで、5年前から交際していたダンサーのサム・アスガリと婚約したことを発表。左手薬指に4カラットのダイアモンドが光るエンゲージリングを着け、しあわせそうな動画を投稿している。
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先述した『Framing Britney Spears(原題)』では、ファンの間で巻き起こっている「#FreeBritney(ブリトニーに自由を)」ムーブメントから、メンタルヘルスへの偏見や女性蔑視という観点でブリトニーの後見人制度について切り取り、そのショッキングな内容が注目を集めた。一方で、Netflixの『ブリトニー対スピアーズ -後見人裁判の行方-』では、ブリトニーを取り巻く普通ではない後見人制度を中心に、彼女の軌跡を描くという。配信開始日の翌日である9月29日には、2度目の審問が予定されている。ドキュメンタリーの内容とともに、そちらの動向も見守りたい。
■配信情報
Netflixオリジナル『ブリトニー対スピアーズ -後見人裁判の行方-』
9月28日(水)よりNetflixにて独占配信