ブリトニー・スピアーズの半生を“でっちあげた”映画に大ブーイング! ファンも怒り心頭
35歳にして、映画1本では収まりきらないほどの伝説やネタを提供してきたブリトニー・スピアーズ。そのブリトニーの波乱万丈な半生を描いたテレビ映画『Britney Ever After(原題)』が製作された。ここ数年、ようやく落ち着きを取り戻し、トップアーティストの地位を取り戻そうとしているブリトニーにとって、過去を蒸し返されるのは嬉しいことではないはず。きっぱりと「私は一切関わっていないし、映画を認めていない」とメディアで宣言していた。
そして先日、アメリカで同作が放送されたのだが、内容のあまりの破壊力にセレブを含むファンたちからブーイングの嵐が巻き起こった。『THE JUON/呪怨』のサラ・ミシェル・ゲラーは、映画を見ながらツイッターで“憤り”を実況中継。リアリティスターのニコール・ポリッツィ(スヌーキ)は「ブリトニーはこの映画に何を思うのかしら…」と同情を寄せた。
人気トーク番組『The Late Late Show』の司会を務める俳優のジェームズ・コーデンは、同番組で『Britney Ever After』の“みどころ”(ツッこみどころ)を8分に渡って紹介。昨年、番組の人気コーナー「カープール・カラオケ」にブリトニーを招き、車の中で彼女のヒット曲を一緒に熱唱した身としては、物申さずにはいられなかったのだろう。
ブリトニーを演じたのは、オーストラリア出身のナターシャ・バセット。ジェームズが「トランプ大統領の娘ティファニーを演じるんだったらパーフェクト」と言うように、まず外見がブリトニーに似ていない。身長171センチとブリトニーを演じるには大きすぎるし、ダンスは「この映画で踊るのが初めて」という初心者だ。キャスティングからすでに暗雲が立ち込めている。
ブリトニーっぽくなくても、ブリトニーのヒット曲が盛り上げてくれるから大丈夫……というわけでもない。ブリトニーから曲の使用許可が得られなかったため、「Oops!...I did It Again」などのおなじみの曲は登場しない。一部使用される曲も、ブリトニーの歌声ではなく、ナターシャが歌っている。コンサートシーンであってもだ。これは歌手の半生を描くには致命的では?
しかし、歌が使えなくても、ブリトニーにはそれを補えるだけのネタが山ほどある。ところが、誰もが知る“バリカンで坊主頭事件”は回想シーン程度にとどまり、マドンナとの有名なキスシーンもまばたきをしたら見逃してしまう一瞬ぶり。ラズベリー賞の最低主演女優賞・最低主題歌賞を獲得したブリトニー主演映画『ノット・ア・ガール』においては触れもしないのだそうだ。
では、一体何を描いているのか? という疑問が出てくる。前述したように、この映画はブリトニーからの協力は一切得られていない。にも関わらず、ファンにもブリトニー本人にも知られざる出来事が、映画の中では事実のように描かれているのだ。例えば、ブリトニーと元彼のジャスティン・ティンバーレイクが交際中にセックステープを撮影したことを示唆。実際は破局から15年が経つ今も、2人からそんな話が出たことも、もちろんテープが流出したこともない。映画のように、ブリトニーが“2001年”に“スマホ”を持っていれば撮影していたかもしれないが…。(時代設定も杜撰なのである)