『ハイヒロ』大成を救うべく奮闘するメンバーたち 美 少年が伝えた“友情と団結”

『ハイヒロ』美 少年が伝えた友情と団結

 さらに本作は、特撮ファンが楽しめる仕掛けも豊富な作品だった。1975年から1977年にかけて放送された『秘密戦隊ゴレンジャー』(NET系)が物語の鍵を握っていたり、過去のスーパー戦隊シリーズに出演していたキャスト陣が、ヒール役を担ったり。黄金魔人や野球魔人のネーミングは、過去作のオマージュでもある。数々の特撮作品を送り出してきた東映が制作に携わっていることもあり、本格的なアクションシーンも見どころのひとつとなった。

 そして、本作が全体を通して伝えてきた“友情と団結”の大切さ。大成がどれだけヒーローの存在を鼻で笑っても、仲間たちは彼を救うことをやめなかった。それは、大成がこれまで仲間のために奮闘してきたから。だからこそ、5人は強敵・黒十字魔人にも、勇気を振り絞って立ち向かったのだろう。

 だが、黒十字魔人に化した天利は真犯人ではなかった。彼もまた、真の黒十字魔人に記憶を操作された被害者だったのだ。すべての黒幕は、学園長。「負の感情を取り除き、明るい未来に導きたかっただけだ」と言う彼に、大成は「どんなに嫌なことも、失敗も、挫折も。全部乗り越えなきゃいけないことだ」と答える。「笑って怒って泣いて、時にはいがみ合ったり、ぶつかったりするけど、思うままに生きる。それが青春だろ?」と。

 黒十字魔人がいなくなったことで、平和を取り戻した五星学園。ヒーローからただの学生に戻り、わちゃわちゃと青春を楽しむシーンは、美 少年の仲の良さが滲み出る場面となった。この夏、忘れかけていた熱い気持ちを思い出させてくれた『ザ・ハイスクール ヒーローズ』。「学園防衛部」6人の笑顔が、いつまでも続くことを願って。

※岩崎大昇の崎は「たつさき」が正式表記

■放送情報
『ザ・ハイスクール ヒーローズ』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~24:00放送
出演:岩崎大昇、佐藤龍我、那須雄登、浮所飛貴、藤井直樹、金指一世
脚本:高橋悠也、吉高寿男、筧昌也
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)、原藤一輝(ジェイ・ストーム)、塚田英明(東映)
プロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)、井上千尋(テレビ朝日)、浜田壮瑛(テレビ朝日)、大森敬仁(東映)
監督:及川拓郎、竹園元、筧昌也
制作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム、東映
(c)テレビ朝日

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる