『ハイヒロ』大成を救うべく奮闘するメンバーたち 美 少年が伝えた“友情と団結”
黒十字魔人と化した天利(戸次重幸)により、すべての記憶を消されてしまった大成(岩崎大昇)。『ザ・ハイスクール ヒーローズ』(テレビ朝日系)最終話は、大成の本来の姿を取り戻すべく、「学園防衛部」のメンバーが奮闘していく。
「ヒーローなんか痛えし……」という言葉が、大成の口から出るなんて信じがたい。これまでの彼はヒーローに憧れ、仲間のために奮闘していたからだ。人格まで変えてしまうのが、魔人アプリの恐ろしさなのである。
やむを得ず、大成抜きで黒幕の正体を掴むことにした「学園防衛部」は、天利が大成の父・大志(関智一)の同級生であるという事実にたどり着いた。そこから、黒十字魔人の正体が天利であることを察したメンバーたちは、「大成を戻してくれ」と頼み込む。
ここで、いつも仏のような笑顔を見せていた天利の表情が変貌する。「大人しくしてれば、記憶を消されずに済んだのに……」そう呟いて、花(箭内夢菜)を含めた「学園防衛部」の記憶を奪おうとするのだ。
純真なヒーローの前に立ちはだかる天利や学園長(柳葉敏郎)、大成を支える母・瑠璃子(中山美穂)を演じた大人の俳優陣は、作品を引き締める役割を担った。とくに、学園長を演じた柳葉は、座っているだけで重厚な雰囲気を漂わせている。
最終話では、柳葉と中山が、1990年放送のドラマ『すてきな片想い』(フジテレビ系)以来、約30年ぶりの共演を果たすシーンもあった。やりたい放題の墨友のもとに瑠璃子が乗り込み、平手打ちを喰らわせる……という場面。この2人の共演には、大人世代も懐かしさを感じたのではないだろうか。