井上順、『おかえりモネ』安西社長を愛嬌あるキャラに 魅力はつかみどころのなさ?

『おかえりモネ』井上順、独特の社長キャラに

 大型台風12号の接近により、緊張が走るウェザーエキスパーツの気象班メンバーたち。『おかえりモネ』(NHK総合)では、気象情報会社“ウェザーエキスパーツ”の社員がそれぞれの役割を果たし、大型台風12号への警戒を必死に伝えようと奮闘する様子が描かれている。

 奮闘する百音(清原果耶)をはじめ、莉子(今田美桜)、内田(清水尋也)、朝岡(西島秀俊)、野坂(森田望智)らを社員を束ねるのが、井上順演じる社長・安西和将だ。昨年放送されたNHKの朝ドラ『エール』にも出演していた井上。ライターの片山香帆氏は、『おかえりモネ』で井上が演じる安西について、ひょうひょうとしてつかみどころのない魅力があると語る。

「初めて“ウェザーエキスパーツ”にやってきた百音と目が合うと、にこやかに笑って、気さくにピースサインを送った初登場シーンは強く印象に残っています。あのワンシーンのおかげで、まだ採用が確定していない百音が報道班に駆り出される設定も違和感なく捉えられました」

 また、気さくで明るい人物ではあるものの、社長らしく、現実的な部分を切り込んでくる厳しい一面にも魅力を感じるという。

「朝岡がスポーツ気象の事業を始めようとしていたときには、『金はどうなの?』と現実的な面に対して切り込んでくるシーンがありました。この週には何度も『スポーツ気象はお金にならない』と口にしていましたが、実際に事業化するとしたら会社として無視できない部分を、嫌味なく言えるキャラクターとしてマッチしています。『金にならない』という意見に対して、退職をちらつかせる朝岡とのやりとりもあり、お互いの意見をはっきり言い合うというのは、関係性によっては、空気がピリつく場面になりますが、この二人の場面にはそれがありませんでした。安西と朝岡は言いたいことが言い合えるだけの信頼関係が築けているのだなと感じました」

 社員との関係性作りにおいても安西の社長としての人柄の良さが垣間見えるという。

「第17〜18週で、どの社員のプレゼンにも楽しそうに耳を傾ける姿勢は、朝岡とはまた違った魅力のある上司像に映りました。あんなふうに聞いてもらえたら、もし結果が不採用だったとしても“何度でも挑戦しよう”という気概が自然にわくと思います。実際、野坂は4回もチャレンジしているわけですし。野坂に対して『運用面でまだGOサインは出せないね』とは言いましたが、その後の『でも悪くない』の一言で野坂の挑戦が前進していることが表されていると感じました。“ウェザーエキスパーツ”に個性豊かで、かつ真面目でまっすぐな人が集まるのは、安西がいるからこそなのではないかと。『この社長にしてこの会社あり』といった象徴的なキャラクターに思えます」

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