アニメ鑑賞にオススメの動画配信サービスは? U-NEXT、Netflixなど5つを比較検証

アニメ鑑賞にオススメの動画配信サービスは?

 近年、成長著しい定額動画配信サイト市場。コロナ禍で巣ごもり需要の後押しもあり、昨年からさらに存在感を高めている。

 日本の動画配信市場では、どの配信サイトもやはりアニメをキラーコンテンツの一つと位置付けている。そして、アニメ産業としても配信市場は、縮小するパッケージ市場に変わる収益の柱として期待をかけており、互いに必要としあっているような状況だ。

 昨年公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の歴史的大ヒットも、TVシリーズが様々な配信サイトで提供され、多くの人が観ていたとのも大きな要因の一つだ。

 また、TVアニメは深夜放送が多いこともあり、録画によるタイムシフト視聴が元々盛んだった。アニメ配信は録画の手間を省いたタイムシフト視聴なので利便性も高い。なおかつ近年は、Netflixを中心にオリジナル作品も増加しており、アニメ産業とファンにとって配信サイトはなくてはならないものになっていると言えるだろう。

 しかし、配信サイトは数多いので、自分のライフスタイルに合ったサービスを見つけるのは難しい。そこでアニメを配信で楽しむための、主要サービスのそれぞれの特徴を比較してみたい。サービス選びの参考になれば幸いだ。

U-NEXT

 月額料金は2189円(税込)とやや高めだが、国内で見放題対象作品が最も多いと謳っているサービスなだけあって、アニメ作品も豊富に取り扱っている。2021年1月時点のGEM Partners調べでは、見放題のアニメ作品数が最も多い配信サイトであるという(参照:定額制動画サービスとして、U-NEXTのアニメ作品数がNo.1に。アニメ視聴者数は過去3年間で約5倍に伸長|U-NEXT)。現在、31日間の無料トライアルを実施しており、無料期間中でも豊富な見放題対象作品を好きなだけ楽しむことができる。

 毎月1200ポイントが自動で付与され(1ポイント=1円で利用できる)、見放題の対象外となるレンタル作品(最新映画など)をポイントで視聴可能になる。毎月ポイントを有効に使えれば、実質の月額料金は決して高くない。

 オリジナル作品は現状多くはないが、『新テニスの王子様 氷帝 vs 立海 Game of Future』前後編などU-NEXT独占配信作品もある。

U-NEXT独占配信の主なアニメ作品 (左から)『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』『新テニスの王子様 氷帝vs立海 Game of Future』 『劇場版「進撃の巨人」~クロニクル』

 さらにアニメファンにとって嬉しいのは、U-NEXTは漫画やライトノベルなどの電子書籍も提供している点だ。アニメを観たあと、物語の続きを原作で読むことができ、楽しみ方が広がる。毎月のポイントを漫画やライトノベルの購入に利用することも、もちろん可能だ。

 画質はフルHD画質、4Kにも対応。さらにドルビーアトモス音響に対応した作品もあり、国内企業が運営するサービスとして、NetflixとAmazon Prime Videoに負けないスペックを提供している。

 本サービスは、次のエピソードを連続再生する機能がデフォルトだが、エンドクレジットをスキップせず、画面にポップアップしてスタッフの名前を隠してしまうこともない。すべてのクレジットが終わった後に次のエピソードを自動再生を開始する点は好感度が高い。

 日本では、映画館でもエンドクレジットを最後まで観る観客が多い。配信サイトも日本ではエンドクレジットを最後まで見せるというのは重要なポイントではないかと思う。NetflixとAmazon、外資の大手2社はこのあたりの感覚が日本的じゃないかもしれない。国内企業が運営しているからこその配慮なのかもしれない。

>>U-NEXT

Netflix

 Netflixは、他では観られないオリジナルアニメの制作に力を入れている。国内外含めて10社ほどのアニメ制作会社と包括的業務提携契約を結んでおり、独自にアニメ制作を手掛けている。『DEVILMAN crybaby(デビルマン・クライベイビー)』など、地上波では放送が難しいと思われる内容の作品も手掛けているのは大きな強みと言える。また、日本国外のAnime作品も多数配信されており、それも他のプラットフォームにはない強みと言える。

 一方で、最新シーズンの国内TVアニメ作品も多数配信しており、網羅性も高い。個々人の視聴履歴から算出するレコメンデーション機能によって思いがけない作品に出会えることもある。

 料金プランはSD画質のベーシック、フルHD画質(1080p)のスタンダード、UHD 4KとHDRに対応しているプレミアムの3つのプランがある。また音響については、全ての視聴プランで5.1chサラウンドに対応、プレミアムプランはドルビーアトモスもサポートする(5.1chもドルビーアトモスも対応作品は限られる)。アニメ作品で4Kやドルビーアトモスに対応している作品は、現状ではほとんどないので、アニメ鑑賞だけを考えるなら月額1490円のスタンダードプランで充分だろう。

 基本的には使いやすいサービスだが、エンドクレジットを飛ばして、自動的に次のエピソードを再生する機能がデフォルトになっている点は注意したい。アニメファンは各話の絵コンテ・演出、原画担当などのクレジットをチェックしたい人も多いだろうから、そういう人は設定で自動再生機能をオフにしよう。

>>Netflix

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる