『ボクの殺意が恋をした』黒幕の正体判明で中川大志に試練 田中みな実の迫真の演技も
もう苦しむ中川大志は見たくない、と何度思ったことか。だがそんな思いもむなしく、『ボクの殺意が恋をした』(日本テレビ系)第7話は、柊(中川大志)にとって過去最大の試練の回となった。
「やっと見つけた、あなたが本物の鳴宮美月だったのね」。詩織(水野美紀)の目線の先にいたのは、千景(田中みな実)だった。千景は、葵(新木優子)の兄・武尊(小池徹平)の元恋人で、丈一郎(藤木直人)に彼を殺害された復讐を果たすため、葵と手を組んだという。
つまり、千景も葵も、“大切な人”を失った苦しみを抱えていたのだ。それは、育ての親・丈一郎を殺された柊も同じである。“大切な人”への愛が殺意を生んだ。だが、殺意を向けなければならない相手が、世界で一番愛している人だなんて。一体柊は、どこまで苦しめばいいのだろう。
たとえ、葵を殺したとしても、丈一郎が帰ってくるわけじゃない。柊もそんなことは、痛いほど分かっている。それなら、この痛みは、苦しみは、どこに向ければいいのだろう。殺したくない、殺さなければ……苦しむ彼の前に、例の“許嫁”莉奈(松本穂香)が現れる。
莉奈は、柊にそっと寄り添い、「本当は、葵さんを殺したくないんじゃないですか?」と問いかけた。「みんな嘘ばっかり」と嘆く柊にとって、唯一の憩いの場となってくれるかもしれない……と思いたいところだが、やはり彼女もかなり怪しい。
思えば、疑問点はたくさん浮かぶ。彼女は何度も、“丈一郎がどれだけ柊のことを愛してきたか”と語りかけていた。柊はその想いを知ることで、葵への恨みが助長されるはずだ。さらに、「大切なもののために、ほかを失う覚悟も必要」と言い出し、最終的に葵を殺害する方向へ仕向けるのも、かなり怖い。彼女と話したあとの柊は、どこか“洗脳”されているようにも見えた。
だが、それ以上に怖い人物が。やはり、詩織が黒幕だったのだ。葵に嘘の自白をさせたのも、詩織。丈一郎を殺したのも、武尊を殺したのも、彼女だった。千景の口から次々と語られる真実に、思わずグッと息を呑んでしまう。