『#家族募集します』重岡大毅と木村文乃の穏やかな家族愛 俊平のドキッとする発言も
同じお弁当を食べ、お風呂に入る順番を決めて、湯上がりの飾らない姿を見せ合う……そんな家族としての暮らしのリズムが少しずつ整ってきた3家族が描かれた『#家族募集します』(TBS系)第4話。その光景はまさに平和そのもので、子どもたちの笑い声が心地よく窓から漏れ聞こえてくる。こんな幸せな空気に包まれた家に「ただいま」と言って帰りたい、そう思うのは黒崎(橋本じゅん)の娘・いつき(板垣樹)だけでなく、テレビの前でこのドラマを楽しみに待つ視聴者も同じ気持ちではないだろうか。
順調にスタートしたように見えた4人の大人+3人の子どもの共同生活。しかし、そこに新メンバーとして黒崎がやってくる。俊平(重岡大毅)と同じ、3カ月前にシングルファザーとなったと言うのだが、名字が違う2人。親子関係はかなり複雑そうだ。
仕事で忙しい黒崎はいつきとのコミュニケーションがうまくとれておらず、夏休みの間どのように過ごしていいかわからないと言う。「娘を預かってほしい」と言うものの、すでにお好み焼き屋にじやの2階には新たなメンバーを受け入れるだけのスペースがない。やんわりと事情を伝えてわかってもらおうとした俊平を見かねて、礼(木村文乃)がピシャリと断った。
礼が現実的な判断をしたことに、誰も異論はなかった。しかし本当にこれでよかったのか。いつきがどれほどの思いでにじやを訪れたのか……とモヤモヤが残る。家の中では、時折そんな議題が持ち上がるものだ。なぜなら家族単位のルールは、世間一般のそれと一致しているわけではないから。自分たちがどうしたら快適に暮らしていくことができるのかは、自分たちで話し合って決めていかなければならない。これも家族をしていく上で避けては通れない道だ。
「あのままあの子を受け入れたほうが良かったですか? そういう空気ですよね?」
「けど、今の私たちは自分たちのことで精一杯じゃないですか。これ以上、他人の問題を抱えるなんて、お節介が過ぎます」
「え、私間違ってます?」
そんな礼に対して何も言えない俊平と蒼介(仲野太賀)。すると、礼はめいく(岸井ゆきの)に意見を求める。これまでのやり取りを見ていると礼とめいくの価値観が正反対なのは明らか。それでも礼が、めいくの意見に耳を傾けたのは、彼女を家族の一員として意識し、その声を聞いておかねばと思っている証だろう。
「私は成り行き主義だからさ。何が良いとか、何が正解なんてわかんないや。正解とか間違いって、その人によって違うし」
「私、学生時代にシェアハウスに住んでたことあるんだけど、自分がこうしたいとか、こうじゃなきゃ、とかなるべく思わないようにしてたんだよね……それも相手にとっちゃ、ただのわがままだから」
というめいくの言葉に「私が、わがまま?」と、礼は否定されたような感覚を覚える。決して、めいくは礼を責めたくて言ったわけではない。あくまで自分のポリシーを過去の経験をもとに語っただけだ。しかし、今回“こうじゃなきゃ”と行動したのは自分、つまり“こうじゃなきゃ”と思う=わがまま=私がわがままと、つなげて考えてしまうのだ。