上白石萌歌、沖田修一監督と蕎麦の話? 『子供はわかってあげない』オーディション秘話

上白石萌歌、オーディションの秘話語る

 また、美波ともじくんの屋上のシーンについて、沖田監督は上白石や細田の奮闘ぶりを語り、「屋上のシーンなかもう真夏の炎天下で、クランクアップだったんですけど、みんなが緊張していて、みんなが暑さに参りながらも緊張を解かないようにとか。本当に不思議な空気感で撮影して、大事にみんながこのシーンを思ってるな」と撮影秘話を明かした。

 屋上のシーンについて監督に相談したという細田。「美波ちゃんの涙をみて泣きそうになっちゃって、監督にすみません僕も泣きそうですって言ったら、すっごい嬉しそうな顔で泣いちゃいなよって(笑)」とやりとりを明かし、「もじくんは泣かないよな」って細田なりの解釈をして、泣かなかったという。「あそこで泣いてみたかったなという後悔は若干ありますね」と少々の後悔を滲ませた。

細田佳央太

 上白石は、「一番最初に脚本を読んだときに、ラストにこんな大変なシーンが待っているって震えて、ちょっとできそうにないなって一度思ったこともあって」と率直な感想を述べ、「すごく笑ったあとに凄く泣いてまたはずかしくなってみたいな……すごく人間らしい所作だなって思ったし、屋上に二人で正座して向き合うみたいなのもすごくロマンチックだなって思っていました」と印象を語った。

 上白石の「すごく緊張があったんですけど」の言葉に、大きく頷いた沖田監督。上白石は「この作品のクライマックスってこのシーンだなって思いましたし、絶対にいい締めくくりにしたいなと思ってそれだけの気持ちで臨んだ記憶があります」とシーンに込めた思いを明かした。

 屋上に素足で正座していたことについて、「フライパンの上に座ってる感じだった」と上白石。熱かったと共感を細田に求めるも、「僕、靴はいてたんです(笑)」と細田。笑いを交えたトークが続いた。

 また、作品の舞台となった高校生活を踏まえて、高校生の頃のエピソードを展開したほか、撮影中は現役高校生だったという細田。上白石は「リハーサルのときに佳央太くんが制服で来て、あ! リアルなもじくんだって思ったの覚えてます」と回顧すると、細田も「わー! 懐かしい」と声を弾ませた。

 最後におススメポイントについて、斉藤は共演の豊川悦司演じる役どころを挙げ、実の父と美波の関係性は、もじくんとの恋愛と並ぶ一つの大きな柱として、「色々な関係性の中で自分なりに考えて自分なりに答えをみつけて大人になっていくっていうすごく素敵だなって美波の姿が、そこを楽しみに」と伝えると会場からは拍手が送られた。

 細田は「全部観てほしい、頭からエンドロールの終わりまで観てほしい」と語り、それぞれの好きなポイントをSNSを使って共有してくれたらと伝えた。上白石は「色んな大変なことがあるので、ちょっと心に栄養補給したい方とか、たくさん笑ってのびのびした気持ちになりたい方にぜひ観ていただきたい」と語り、「スクリーンから夏を全身で感じられるような、吸い込めるような作品なんですけど、心はこんがりとやけるような、じんわりと温かい映画になっているので、ぜひ大切な方を誘って劇場に足を運んでいただけたら」と語った。

■公開情報
『子供はわかってあげない』
テアトル新宿にて先行公開中
8月20日(金)全国公開
出演:上白石萌歌、細田佳央太、千葉雄大、古舘寛治、斉藤由貴、豊川悦司
監督:沖田修一
脚本:ふじきみつ彦、沖田修一
音楽:牛尾憲輔
原作:田島列島『子供はわかってあげない』(講談社モーニングKC刊)
企画・製作幹事:アミューズ
配給:日活
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
(c)2020「子供はわかってあげない」製作委員会(c)田島列島/講談社
公式サイト:agenai-movie.jp
公式Twitter:@agenai_movie

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