“サム”がトレンド? ドラマ『わかっていても』から見える、韓国の若者の恋愛模様
ソン・ガンとハン・ソヒ主演の韓国ドラマ『わかっていても』が、韓国だけでなく日本でも大きな注目を集めている。
本作は、美術大学に通う男女の“友達以上恋人未満”な関係を描いたロマンスドラマ。愛は信じられないけれど恋愛はしたいユ・ナビ(ハン・ソヒ)と、恋愛は面倒だが駆け引きは楽しみたいパク・ジェオン(ソン・ガン)のリアルで現実的な恋愛模様を描いている。
同名の人気Webマンガが原作であること、韓国のホットな若手俳優2人の共演ということから『わかっていても』は放送前から話題沸騰。おしゃれな演出やOST、R-19指定の大人なシーンも視聴者を惹きつける要素となっている。
韓国ではテレビ放送に加えNetflixでも配信。韓国での放送後、日本のNetflixでも各エピソードが配信されている。今回はそんな人気ドラマ『わかっていても』から見える韓国の若者の恋愛事情を深堀りしていく。
友達以上恋人未満な関係「サム」
『わかっていても』のナビとジェオンは友達以上でありながらも、恋人同士ではないという関係。ナビはジェオンに対して特別な感情がありつつも、ジェオンには恋愛する気がないことを知っており、あえてはっきりとした関係を求めないでいる。
このような“友達以上恋人未満”な関係を韓国では「サム」と呼ぶ。「サム」は英語のsomethingに由来。2人の間に「なにか(something)感情がある」ことからこのような呼び方をするようになった。韓国の若者の間では「彼氏はいないけれどサムはいる」などという会話がよく交わされている。
「サム」の終わりはどちらかが告白し、はっきりとした恋人同士になること。もしくは自然消滅だ。「サム」はお互いのことを知るための大切な期間ではあるが、関係をはっきりさせずにズルズルと引きずるとナビやジェオンのようにセックスフレンドのような関係になってしまうこともある。
また韓国では「サムが一番いいとき」とも言われている。カップルになってからでは味わえないトキメキやドキドキは「サム」な関係ならではであるからだ。ナビとジェオンが関係をはっきりさせず、かといって離れるわけでもないのはこの「サム」の時期をずっと楽しんでいたい気持ちがあるからだろう。多くの人が経験したことがある「サム」な関係を描くことにより、視聴者に共感とリアルなトキメキを与えている。