林遣都はなぜ青春物語が似合うのか 『犬部!』でも見せた“陰り”
『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)でのイケメンエリート役ながら好きな人の前でだけ見せる健気さが滲む牧役などで遺憾無く発揮されている、あの何とも言えないピュアな“ハニカミ笑顔”もまた素敵だ。
そもそも林にはどんな役柄に対してもまずリスペクトが念頭にあるように思える。『教場』(フジテレビ系)で演じた平田役は警察学校では落ちこぼれ役だったが、林は「一見、内気で狂気的な部分を秘めている役どころだと思います。ですが、あまりそこに捉われず、どれだけの苦悩を経て生きてきたのかという部分に重きを置いて演じました」と語っているのが印象的だった(引用:林遣都『教場』の撮影に「あそこまでワクワク、ゾクゾクしたのは久しぶり」 - フジテレビュー!!)。
華々しい主演だけでなく脇を固めるような抑えめな演技にも定評があり、最近では『ドラゴン桜』(TBS系)で好演した最後の最後まで手の内が不明なIT社長・坂本役も記憶に新しい。どれをとっても一つとして同じ顔がない。
これから控える映画『護られなかった者たちへ』や、小松菜奈とW主演となる『恋する寄生虫』でも、まだ見ぬ林の新たなる顔を目の当たりにできるのが楽しみで仕方ない。
■公開情報
『犬部!』
全国公開中
出演者:林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大、田辺桃子、安藤玉恵、しゅはまはるみ、坂東龍汰、田中麗奈、酒向 芳、螢雪次朗、岩松了
監督:篠原哲雄
脚本:山田あかね
原案:片野ゆか『北里大学獣医学部 犬部!』(ポプラ社刊)
主題歌:Novelbright「ライフスコール」(UNIVERSAL SIGMA / ZEST)
配給:KADOKAWA
(c)2021『犬部!』製作委員会
公式サイト:inubu-movie.jp