『姉ちゃんの恋人』有村架純×林遣都のカップルが向かう“幸せ”とは 藤木直人の裏の顔も明らかに?

『姉ちゃんの恋人』有村架純×林遣都の幸せ

 桃子(有村架純)とのデートの途中でばったり元恋人の香里(小林涼子)に再会する真人(林遣都)。3人で入ったカフェで香里に問いかける「いま幸せ?」の言葉から始まる、1年分ぐらいの「幸せ」という単語が詰め込まれた真人の数分間の長台詞。12月15日に放送された『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)第8話は、“恋人同士になる”という概念の先にある“幸せになる”という精神的な充足の、より確かな形を模索するエピソードであった。

 「幸せでいてほしいというか、幸せでいてくれないと」「うまくいかないことがあっても幸せになることから逃げないでくれ」と、香里に対して向けられた想い。そして桃子と恋人同士になった現在の自分について「世界中に言いたいぐらい幸せ」だという報告。第3話だったろうか、桃子は真人のことを「幸せになるのを諦めている」と形容していた。そんな真人が自分なりの“幸せ”を見つけたことで、このドラマの登場人物たちが全員、一歩ずつでも前進していることが証明されたような気がする。

 それは真人以外の口から語られる“幸せ”でもそうだ。桃子と2人で過ごし、いろいろなことを話した貴子(和久井映見)は、菊雄(光石研)と藤吉(やついいちろう)に「幸せだなあ」と語り、そんな貴子に想いを寄せていることが見え見えの藤吉に菊雄は「幸せにしてやれよ」と促す。また一方で、働いていた会社が倒産し職探しを始めたみゆき(奈緒)は、「いままで幸せだったんだなと思うよ。誰にも求められてないんだなと泣きたくなる」と呟く。同じ“幸せ”という言葉でありながらも、それぞれに込められているニュアンスもベクトルも異なる、そんな言葉の巧みさを感じつつも、結局それは誰かと出会い繋がるということに集約されていることがよくわかる。

 そしてクリスマスパーティーに向かう桃子と真人が、河川敷で二人組に絡まれる終盤のシーン。橋の下へと連れて行かれて殴られながらも、体を張って桃子を守ろうとする真人。真人の過去の出来事とリンクするこの描写は、少々古典的であまりにも極端すぎて浮いてしまっていることは否めないが、真人を“過去”から完全に解放するためのわかりやすい手段が他にないのであれば仕方あるまい。確かなことは、もう震えなくなった真人の手は、桃子を守り、桃子と繋ぐための手になったということだ。

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