DC映画に新たなヒーロー登場 レスリー・グレースが『バットガール』に抜擢

 正直、僕はレスリー・グレースについてはよく知らなかったのですが、写真や『イン・ザ・ハイツ』を観る限り、とてもかっこいい。素敵なバットガールになりそうです。ここで注目したいのはレスリー・グレースはラテン系。実は来年公開の、エズラ・ミラー出演の映画『The Flash(原題)』にスーパーガールが登場しますが、このスーパーガールを演じるサッシャ・カーレもラテン系なのです。つまりDCが誇る2大ヒーローガールがラテン系ということです。

 さらに興味深いのは、先ほど書いたようにバットガールことバーバラはゴードン警部の娘なのです。ということはゴードン警部がラテン系の俳優である可能性もあります。ゴードン警部は『ダークナイト』3部作ではゲイリー・オールドマン、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』『ジャスティス・リーグ』ではJ・K・シモンズ、そしてドラマシリーズ『ゴッサム』ではベン・マッケンジーと白人俳優が演じてきました。しかし来年劇場公開の『ザ・バットマン』ではジェフリー・ライトがゴードンを演じる。黒人俳優が演じるゴードン警部となるのです。これもダイバーシティを意識したキャスティングなのでしょう。

 多様性と言えば、現在DCとワーナーはJ・J・エイブラムスと黒人版スーパーマンの映画を準備中ですが、これとは別にDCとHBO Maxとマイケル・B・ジョーダンで、別のユニバースにいる黒人版スーパーマンことヴァル・ゾッドを主人公にしたミニシリーズを企画中とのことです。

 アメコミが得意とするマルチバースという設定は様々なヒーローの物語を生み出し、こうしたヒーローの物語の受け皿となるメディアも、映画・テレビ・配信×実写・アニメとたくさんの選択肢があります。マルチバース×メディアだけでも可能性は広がるのに、さらにここにダイバーシティが掛け算されることで同じヒーローでも多種多様なバージョンを楽しめるようになります。

 昔はスーパーマンとバットマンのどっちが好きか? でしたが、これからはどのスーパーマンが好きか、になっていくのかもしれませんね。

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